中東情勢等に関する情報交換会 小樽商工会議所

 
 小樽商工会議所(中野豊会頭)は、中東情勢・原油価格上昇に関する市内経済の影響等に関する情報交換会(市内経済ブラッシュアップ会議)を、5月27日(水)に小樽経済センター(稲穂2)3階会議室で開き、市内金融機関と小樽市、商工会議所会頭ら約20名が出席して、市内経済の現状について情報交換した。
(写真提供:小樽商工会議所)
 
 
  中東情勢の緊迫化に伴い、エネルギーやナフサといった石油関連製品の価格変動リスクや供給制限など、幅広い分野で事業活動への影響が懸念されていることから、市、金融機関と情報の共有化を図る事を目的として開かれた。
 
 
 終了後に同所担当者から報道関係への報告会が開かれ、情報交換会の内容と、4月初旬と5月後半に実施した市内25の事業所にヒアリングしたものを業種ごとにまとめた。
 
 各業種ともに、ウクライナ情勢に端を発する原材料の高騰と供給不足、エネルギー・輸送コストの増加に加え、2月28日に始まる中東情勢に影響により極めて厳しい経営状況に直面していている。
                             
 
 プラスチック製品関連の製造業では、特許製品等は、価格転嫁が比較的容易だが、規格袋など同業他社が多く利幅の小さいものは価格転嫁に苦慮。原材料の確保が不安定で、当月分は足りているが、翌月はわからないといった状況が継続する見通し。
 
 原材料費の急騰では、ポリエチレン・ポリプロピレンと言った国内外の原材料価格が大幅に上昇。原料メーカーからの出荷数の減少、納期の大幅な遅れがあり、十分な量の確保が困難になっている。
 
 プラスチック製品全体において、30~40%の製品値上げ。4月に1度値上げをしても、コスト増に追いつかず、もう1度値上げが必要となる状況。
 
 製袋などの印刷に必要な溶剤の確保が不安定で、既存顧客の対応を優先し、新規受注を断らざるを得ない事業所もある。政府の石油製品への補助金継続の動向に注視している。
 
 ナフサ価格は、2026年5月22日で、815.17usd/tに上昇。1年前に比べると49.2%高い水準となっている。ナフサ史上最高値は、2008年7月の1108.47usd/tを記録している。
 
 製造業(食品)では、容器や包装資材に影響が出ている。アルミ地金の値上がりで飲料缶15%上昇、1000万円単位のコスト増につながる事業所もある。ラベル印刷用溶剤の原材料費30%上昇し、次回納品よりラベルの値上げを通告された事例もある。
 
 包装用フィルムも入手困難。納期の目途が立たない。
 
 総合建築業、配管業、建具・内装業では、住宅建設に必要なプラスチック製品の不足、工事の遅滞が深刻。下請けでは材料確保が困難となり、資材がない状況で見積もりを出せず、仕事を受注できない状態が続いている。
 
 資材購入が前金制になり、資金力のあるところに物がたまる傾向で、小規模事業者が資材を確保する事が余計に困難になっていて、今後は、資金不足による「黒字倒産」の増加を懸念する声もあった。
 
 国や道、市では、事業者や市民への支援策を実施。
 
 小樽市では、市民生活の支援として、おたるプレミアム付き商品券事業や、中小・小規模事業者への支援策として、介護保険施設等物価高騰重点支援事業など、令和8年度物価高高等対応重点支援地方創生臨時交付金活用事業(予算額13億4千万円)の申請受付中または、今後申請開始を予定している。
 
 小樽商工会議所では、中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口を4月28日より設置し、これまでに板金工事業2社、運輸業1社からの相談があった。日本政策金融公庫への橋渡しや推薦、国や道、市の補助金等の情報を発信している。
 
  ナフサ由来の製品が不足、値上がりが懸念されるところだが、市の指定ゴミ袋については、今後も安定的に供給できる見込みだ。
 
 生活環境部管理課によると、今のところ、倉庫に2・3ヶ月分のゴミ袋を確保していて、7月以降に制作して納品する予定。
 
 現時点では、底をつく事はない見込み。各店舗、スーパー、量販店に在庫を確認していて、例年より購入枚数は増えている傾向にあるが、普段通りの購入を呼び掛けている。