避難所で中学生ができること 小樽北陵中で防災教室

 小樽市立北陵中学校(清水町1・岡本清豪校長)では、2年生81名を対象に、1月20日(金)6時間目(14:30〜15:20)に同校体育館で防災教室を実施した。

 

 小樽市役所総務部災害対策室の安藤斉主幹が講師を務め、昨年10月に実施された避難訓練時に続き、防災に関して学ぶのは2回目となった。

 

 前回の復習も併せ、特に厳冬期の自然災害に関する意識の高揚を図ることを目的とし、厳冬期の災害に備えること(自助)と避難所で中学生ができること(共助)について説明があった。

 

 過去の経験上、自助・共助・公助の比率は7:2:1で、特に公助が行き届かない発災直後は、自助と共助の役割が大きいと伝えた。

 

 小樽市内には、土砂災害危険箇所・警戒区域(北海道指定済)は514箇所あり、同校周辺の危険状況を確認したり、1996(平成8)年1月8日〜9日にかけて24時間降雪量84cmで、観測史上最多の大雪が発生し、国道5号線や札樽自動道は不通、JR札幌ー小樽間の運休、中央バスも運休する交通被害があった事例を紹介した。

 

 大きな災害経験がない地域ほど災害に弱い傾向があり、災害の防止や正確な予知は困難であり、その地域に予測される災害の特性に応じて、物心両面で災害に備えることが必要であると強調した。

 

 低温で昼間時間が短く、積雪や凍結の影響、冬季特有のスキー場での遭難や融雪に伴う落雪・雪崩・氷の崩壊などが冬季の災害の特性であり、冬の災害に備え、中学生にもできることは何か考えた。

 

 防災アンケートでは、4割が防災対策を実施し、防災グッズを準備している割合は5.5割。市内の指定避難所は62ヵ所あり、同校もそのひとつで同校の備蓄品リストを紹介した。

 

 静岡県で制作した避難所運営ゲーム「HUG」の北海道版で、雪や寒さなどの観点を加えた「Doはぐ」を実施し、ゲーム感覚で避難者の受け入れや避難所で起こる出来事などを模擬体験した。

 

 いろいろな家族構成で避難所にやってくる人たちを、避難所のどの位置に配置するかなど、グループに分かれて考え、生後3ヵ月と3歳の子どもを連れた母親の3人家族はどこに配置するか、気温8℃でストーブ3台の置き場所などを考え、決定した内容を発表し合った。

 

 安藤主幹は、まとめとして「正確な情報を速やかに判断し自分の身を守る。避難所で分担される役割を、中学生も十分手伝うことができ、役割を積極的に果たせると自覚してもらいたい」とし、参加した女生徒は「冬の災害に備えて、どうしたら良いか知ることができて良かった」と話した。

 

 ◎小樽市〜防災(外部)