2005年1月のベストママ
寿司和食しかま

色摩(しかま) 久子ママ

 額の中央にいなせな豆絞りが、キリリッと巻かれて、寿司屋職人の心意気があふれる。板場で寿司を握る、全国的にも知られた女性寿司職人で、小樽の花銀通りにある寿司・和食「しかま」のママさん。

 積丹の入阿のニシン漁場の出身で、子供の頃からさかなに慣れ親しんでいた。小樽の仕出屋に6年間勤め、二十歳で職場結婚、子供2人を育てる。夫が独立して寿司店を開き、それからは、夫婦二人三脚で店の発展に力を注ぐ。

 昨年4月に、これまで借家だった2店舗を統合し、約2億円を投じ、自前の新築ビルに生まれ変わった。「やる前は心配したが、高齢化社会に対応したバリアフリー設備と畳にイス席の和室などがお客さんに受け入れられ、順調にいっている。お客さんににゆっくり食事していただけるように心掛けている」(色摩文孝社長)。

 結婚してから、夫である社長の手ほどきで握りだし、すでに30年近くが経つ。今では店の握りの半分位は握るというベテランでもある。「小樽は魚もおいしいし、住みやすい。子供のころの積丹より小樽が永くなって、小樽が好き」「自分の店だったから女性でもやってこれたが、女性職人として他の店で修業するのは大変で無理だと思う」。

「趣味は握り、生きがいは寿司」と言うママも、「娘が店を手伝ってくれる」と声をはずませる。この時ばかりは、女性寿司職人も母親の顔をのぞかせる。昭和23年生、今が盛りの小樽の寿司店の女将さん。

寿司和食しかま

小樽市花園1-2-5
0134(25)4040

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