2006年4月のベストママ
スナック 待夢尚

高橋 寿美子ママ

 63歳のママは、積丹出身のバリバリのずうずう弁で客を毎夜迎える。

 小樽花園で36年間スナックを営業し、「いらっしゃいませ」と言うことが好きな待夢尚(たいむなお)のママ。

 「オラッち、一生田舎にいたくねぇ。都会に出たかったんだ」と、中学を卒業して小樽に越して来た。勉強が好きで、先生になりたかったというママは、小樽潮陵高校の定時制へ。

 昼は、雑貨屋やコーヒーショップで働き、夜は学校で猛勉強という学生生活を送った。卒業後は、北ガスに就職。電話交換手という職に就き、なまりもなくなったという。

 就職してから約10年後、知人に勧められた水商売を始めた。酒が好きでもなく、飲むことも出来なかったと苦労話もするが、大変だと感じたことはないと話す。オープン当初に雇っていた女の子たちが積丹などから小樽に来た子が多くて、みんなでずうずう弁を使っていた。「ようやくなくなったなまりもすぐに出てきたんだ」と、なまりが取れない理由を語る。

 「飲み屋で働いてる」と言われることが嫌で、美容師や着付けの資格を取り、介護ヘルパーの1級も取得。このため、現在、待夢尚は、完全バリアフリーで、全道でも珍しく、車椅子を完備しているスナックとなった。

 とにかく、働くことが好きなママは、7年間休みを取っていない。昼はカラオケ喫茶と美容室を営業して、夜はスナックと忙しい毎日を過ごす。店のつまみで出てくるものは、積丹の新鮮な魚介類や薫製など。週4日以上は必ず立ち寄る客も、「寿司屋さんが買いに来るほど新鮮なものなのよ。本当においしいの」と話していた。

 店名の待夢(たいむ)は、「ちょっと休んで行って」、尚(なお)は、易者さんに「寿美子は強いから尚子にしなさい」と言われたのがきっかけ。

 ママは、「お年寄りにやさしいスナックだからシルバースナックとも言うんだ」という。さらに、6月には向かいに新たな店舗もオープンする予定。そこは、「男の子を雇って、違う店の感じにしたい」と、ママの夢はさらに広がる。

スナック 待夢尚

営業時間:
11:00~17:00(月・火定休)
18:00~0:00(無休)
小樽市花園1-5-3
0134-27-5624