2010年11月のベストママ
談話室アニモ

山本 國の助ママ

 「中学入った頃から女性に憧れたのよ」。花園繁華街にあるスナック&食事の店「談話室アニモ」のママ?!

 京都で生まれてすぐ小樽へ。稲穂小学校に通っていた頃には、1学年上に石原裕次郎が在学しており、銀幕のスターの幼少期を同じ校舎で過ごした。
当時は1学年が7~8クラスと多く、残念ながら、裕次郎と出会うことはなかった。

 札幌の短大卒業後上京。「収入ががばちょんがばちょん入る時代だった」と、スナックで働き、30代から憧れの女装を始めた。世田谷に出店し、4人もアルバイトを使いながら利益も多かった。「儲かったのよ。マジに」と、焼酎のコーヒー割りを一口。

 小樽に残していた母親の死を機に、20年前に帰省。「パートにでも出ようとしたが、50過ぎの人間を雇ってはくれないと思って、一
か八かで店をやってみることに」と花園で店を開いた。スペイン語のアニーモー(人が集まるところ)から談話室アニモと名づけた。

 女性から圧倒的な支持を受け、深夜1時、2時と、遅くなればなるほど店は満員となる。「とにかく会話することが好きなのよ」。ユーモア
たっぷりの人柄で店はいつも笑いが絶えない。ダンスが好きで、アルコールが入ると、カツラをつけて踊り出す。吉本興業北海道の1期生だった経歴もあり、「間寛平かと言われた」とぼそっとつぶやく。

 女性も男性も帰る頃には、「この店は面白いのよ!」と口癖がうつる。「うちに来たら遠慮はなし。みんな家族なんだから。みんな我が家だと思ってるんじゃないの」。客からは“國ちゃん”と親しまれている。

 談話室は朝まで続く。閉店後は鱗友朝市で朝ごはん。3時間寝て、南樽市場へ買出しに。「年が年だからパっと目が覚めちゃうのよ」

 御年73歳。女性よりも女性らしく、元気ハツラツの國の助ママ。

談話室アニモ

小樽市花園1-7-7
080-1975-6087
営業時間:19:00~05:00又は06:00
年中無休