又村 悦子ママ
運河沿いのシミュレーションゴルフ場「赤レンガ大同」内にオープンした「定食てみや家」のママ(61)。地魚を使った“お袋の味”を提供する。
手宮で生まれ育ち、結婚後、ご主人の仕事の都合で、旭川や苫小牧など道内を転々したが、ふたたび手宮に。
「私、子供、孫の三代で手宮。戦後の昭和23年のベビーブームに生まれ、手宮には子供が多かったわ。1クラス60人で、それが9クラスぐらいあったと思うわ。でも今は全校児童で100人くらいで寂しい」と語る。
姉のトキさん(67)が産業会館にオープンした飲食店を手伝ったことがきっかけとなり、飲食業の道へ。「産業会館は、小樽のスーパーの発祥の地。焼きそばやおやきを販売し、当初はカウンター席だけだったが、テーブル席も増やし、忙しかったの」と振り返る。
今度は、姉のトキさんの手伝いもあり、13年前の交通記念館オープンに併せ、手宮にある同施設目の前の自宅敷地に2号店「てみや家」を開店。特技もないし、気張ったものも作れないので、家庭の延長のつもりで定食を作った。でも、それが一番落ち着く味で、漁師さんたちもよく食べに来てくれたのだが、姉が体調を崩したため3年前に店を休業。
店を休業してからは、家事をするだけの生活だった。子供たちが大きくなって時間に余裕も出来た頃、お客さんとして来てくれていた大同の社員の方から、ゴルフ場で食堂をやらないかとお話しがあった。どこかでアルバイトするといっても、茶碗洗いは洗浄器があって必要ないし、他所では多分使ってもらえないと考え、姉の体調も良くなったこともあったのでオープンすることを決めた。
1月7日にゴルフ場内で「てみ家」の営業を再開。焼き魚や煮魚のメイン料理に、日替わりの小鉢2品、ご飯、味噌汁、漬物をつけた定食(600円)を提供している。
「地元の漁師さんの協力で、旬のお魚料理を出すことが出来る。春はホッケやアサバガレイなど。イカ刺しは絶対おすすめ。活きの良いものを届けてくれるので、すっごく美味しいの」と勧める。
「儲けは少ないけど、地元の人がお昼に使うなら600円が限度だと思う。地元の人がメインに食べに来てもらいたいから、この値段で頑張る」と、姉妹で店を切り盛りする。