2010年7月のベストママ
スナック杉
村上 佐伊子ママ
嵐山通りの仲店小路にある“昼カラ”(昼のカラオケ)で人気のスナック杉のママ(68)。
昼は、小樽の問屋で働き、夜はスナック経営と忙しい毎日を過ごしていた。「何がなんだか分からないうちに何年も過ぎたわ」
1979(昭和54)年に会社が倒産してから夜のスナック一本で、昼はお客さんとの旅行を楽しんでいた。
「昔は、『また来てね』と言わなくても、たくさんお客さんが来てくれたわ。でも今は『また来てね』と言っても来てくれないの。オホホホ」
常連の女性客から「昼遊んでないで一緒に昼カラオケをやろう」と誘われ、11年前にカラオケマシーンを導入。当時は昼カラオケをするスナックが少なかった。
今では、“昼カラ”で人気店となり、毎日満席状態。カラオケのほかに、700円で刺身やつまみなど4品ついた日替わり定食が好評。安くて美味しいものを出したいと、仕入れは小樽や札幌の市場を回る。刺身の仕入れは、絶対、小樽の知り合いのお店からとこだわる。
旅行が趣味で、日本全国を回った。行き先が分からないミステリーツアーが特に好き。「飛行機に乗るまで分からないというところが面白いのよね」
お客さんよりも変わったことがしたいと、髪の毛の一部をパッションピンクに染めるワンポイントがお気に入り。頬紅、唇もピンクで揃える。良心的な価格設定で、人情味溢れる粋なママ。愛らしい笑顔がチャーミングだ。「体力が続く限りはお店を続けたい」と語る。