石井 この実ママ
小樽のネオン街・花園小路のさらに奥まった隠れ小路にある「かくれや」のママ。
19才で岩内から小樽に出てきて、27年目を迎える。高校まで岩内で過ごし、小樽女子短大に入学。「父親は、後志の学校の先生をしていたが、娘がアホだったので、札幌の短大に行きたかったけどダメで、“バカ短”に入ったのが、小樽生活の始まり」と、笑いながら話す。
20才から、朝里川温泉にある貸別荘のウィンケルに14年間勤めた。朝里スキー場ではスキーのインストラクター経験も。ウィンケルの立ち上げから関わり、景気の良かった頃には、カナダやニュージーランドまで、ツアーでお客を連れて行っていた。
ここでの宿泊サービス業の経験が、現在につながっている。24才で人並みに結婚したが、10年後には、離婚騒動などがあって、いろいろ転々として、松ヶ枝町の花屋さんに、6年間いた。その頃に、スナックでバイト経験をした。
結局、3年前に独立して、この奥まった隠れ小路で、花園おばんざい「かくれや」をオープン。4年目に入っている。
「まさか自分で商売をするとは思わなかった。サービス業は、いろんな人との出会いがあるから面白い。小樽は、海も山もあり、魚がおいしいし、空気がよく、大都会にはない田舎の良さが残っている。ゴルフも15分で行けるし、ウインドサーフィンも出来るし、一番住みやすい」と、すでに27年目の小樽生活をエンジョイしている。
「仕事をしている方が好きで、気が楽」と言うママは、すっかり樽っ子の風情が漂う。1年中着物姿で、店の調理を切り盛りしている。「おばあちゃんになってもここで続けていきたい」
店の由佳ちゃん(26)との美人ふたりの笑顔がまぶしい。小樽のかくれ小路のそのまた奥にある、料理と酒がうまい「かくれや」のママ。