2011年11月のベストママ
おたるの台所 おちゃわん

山中 佳生子ママ

 10月7日にオープンしたばかりの『おたるの台所 ○おちゃわん○』で、ホテル仕込みの接客をする山中佳生子さん(40)は、今日も笑顔でお客さんを迎えている。

 ママの佳生子さんは小樽生まれ。夫の泰さんは高校の同級生。5歳の男の子のお母さんでもある。

 高校卒業後、横浜の短大へ進学。当時アルバイトをしていたスポーツクラブのフロントが、接客業との出会い。接客の楽しさにのめり込み、卒業後はホテルへ就職。希望通りフロントに配属され、以来、接客の技を磨く。二軒のホテルで計8年間フロントを勤めた経験を持つ。

 人をもてなすことが大好きで、何かとイベントを企画することもしばしば。子供が出来てからは、児童館イベントで司会もしていた。

 子供が小学校に上がる前にと、昨年3月に故郷・小樽へ帰って来た。泰さんが、起業家育成の勉強をして出会ったコミュニティビジネスから、コミュニティレストラン(地域の人々が集う事を目的としたレストラン)を目標に飲食店を立ち上げる事に。

 夫が訓練中に、佳生子さんが市内のイタリアンレストランで働いた経験も、開店への良い修行をしたこととなる。

 調理経験のない夫婦のために力になってくれているのが、佳生子さんのお母さん(69)。彼女は小樽で長年調理人として仕事をしていたため、お母さんの味とその人柄から、たくさんのお客様を持つ、店の重要な助っ人である。

 お母さんが昔から作り馴れたお惣菜をカウンターに並べ、50gから量り売りもしている。「食べきれる分だけ、ちょっとずつでいいので、気軽に立ち寄っていただきたい」

 ランチメニューは日替りで、煮魚定食・焼き魚定食(各650円)、刺身定食(750円)は小鉢が2品付く。定番メニューはザンギ定食・生姜焼き定食(各650円)、とんかつ定食・天ぷら定食・ハンバーグ定食(各700円)と、リーズナブルでボリュームたっぷり。たくさんは食べられないという方のために、おかず2品のみのちょびっと定食(450円)も用意。

 「○おちゃわん○」という名前の由来は、友人とお酒を飲んでいる時に、夫の友人がつぶやいた「おちゃわんとか…」の一言。おちゃわんに盛ったご飯に合うお惣菜が主体のお店のイメージとその響きから、満場一致で決まり。前後の○も小樽の「O(オー)」と、お店に人の輪が出来るようにという願いを込めてつけている。

 オープン以来、サバの味噌煮やザンギが人気で、昔からのお客さんから「やっぱりお母さんの味だね」と喜ばれている。

 また、忘れてはならないもうひとりの助っ人は、夫のお母さん。佳生子さんにしてみると、義母と実母が一緒に厨房で切り盛りしてくれていることになり、ダブル母さんに支えられている。漬物も義母の手作り。店内のお花の手入れは蘭好きの義父がするなど、家族に支えられ、温かな「○おちゃわん○」が営まれている。

 現在、夫の泰さんは母から料理の特訓を受けている。佳生子さんは?と尋ねると、「私は接客専門ですから」と持ち場が決まってる様子。

 「おひとりで来られる方も多いので、「○おちゃわん○」で出会って知り合いになったり、あったかいお店にしたい。夜の営業は居酒屋スタイルなので、楽しいお酒を飲みに、たくさんの人に来ていただきたい。二階の座敷で宴会もできるので、忘年会シーズンには是非!」と話す。

 本人もビールが大好きのサービス精神旺盛な「○おちゃわん○」のママ。

おたるの台所 おちゃわん

小樽市稲穂2-14-11
TEL:0134-64-5031、FAX:0134-64-5032
営業時間:10:30~14:30、17:00~22:00(LO:21:00)
定休日:日曜日・祝日