2011年7月のベストママ
まり子の巣なっく

小林 まり子ママ

 花園町のスナック「まり子の巣なっく」のママ。余市生れ。両親の離婚で、小学校を3度も変わった。4、5年生の時は小樽の稲穂小に通った。

 「その頃の小樽は大都会で、私はゴム長靴だったのに、小樽の子は革靴だったのよ。木造の古い建物でバルコニーがあって、運動会を小樽公園でやったのを憶えている。新倉屋やあまとう、かまぼこ屋さんたちと同級だった」

 高卒後、札幌に就職。桑園の繊維問屋に勤め、布団を扱っていた。「初任給18,000円で、おふくろさんに、そのお金で冬のコート(オーバー)を買いなさいと言われたのが、すごくうれしかった」

 その後、すすきの十字街の喫茶店に勤め、朝から夜まで通しで働いた。「ピンク電話が5~6台並んでいて、最後に料金を事務所で数えるのが大変だった」。ここを辞めて、お姉ちゃんの知り合いのクラブで、夜レジ係をしたのが、この世界に入るきっかけになった。その後、高級クラブの部長のスカウトで、本格的に夜の世界を経験することに。

 「髪を結って、なれない長いドレスを着て、バックを持って、ヘルプを始めたが、右も左も分からない状態で、お客さんとの会話が全く続かないので大変だった。その頃は、うぶで可愛かったのよ。だけど、いじめられて大変だった。トイレットペーパーで涙を何度も拭いていたのよ」

 「その後、お姉ちゃんとスナックをすすきので始めて、結局18年の札幌生活だった。お姉ちゃんに今度は、小樽でお店をやるから手伝ってと言われたけれど、“絶対行きません!”と言ったの。だけど、おふくろさんから一緒にやったらと言われ、逆らえないので、小樽で一緒に働き始めたの。その頃は、バブルが下り坂だったけれど、まだ景気が良かったから面白かった。いいお客さんにもたくさん会えたて、助けてもらったの。それから小樽で、もう26年も経ってしまった」

 お姉さんのヒロ(博子)ちゃんは、「ずーっと一緒に働いてきた。私が無理やりこの水商売に入れたから、頭が上がらないのよ。今ではハイハイと言うことを聞いている。今は私がただの従業員です」と、妹に駄目出しされながらもテキパキと動き回る。

 姉と妹のかけ合い問答の面白さに、お客も思わず笑ってしまう。年季の入った仲の良い美人姉妹が、癒しを与えてくれる。「年は大台に乗ってしまったが、私が言うとお姉ちゃんの年がばれるから、言ってはいけないと言われているの」

 小樽に来てから始めた趣味のゴルフは、昔の年40~50回から、今は景気が悪くて4~5回に減ってしまったと嘆く。天真爛漫の明るさを振りまく、「まり子の巣なっく」のママ。

まり子の巣なっく

小樽市花園1-8-8 沢田ビル2F
TEL:0134-33-0905
営業時間:19:00~01:00
定休:日曜日・祝日