新保 淑子ママ
手宮界隈の市民の台所として親しまれている、手宮市場の正面入り口を入るとすぐ左にある(有)カネシン新保海産店の新保淑子ママ(69歳)は、素敵な笑顔と元気のある声で、「いらっしゃいませ」と出迎えてくれている。
昭和17年樺太に生まれ、3歳まで過ごした後、小樽へ移住。実家が商売をしていたため、家業を手伝いながら花嫁修業をしていた。
夫・英一さんと結婚し、商売に馴れていた淑子さんは、違和感なく店を手伝う事となる。
2人の息子の子育て中は、お姑さんが店に出ていたので、忙しい時の助っ人として活躍。子育ても終わり、姑が引退後は、店の準備から接客中心に仕事をしている。12月は、地方発送が多忙な時期で、仕事が終わるのは遅く、22:00や23:00まで追われている。長男の雅大さんは、現在、新保商店の社長となり、家族3人でアットホームな雰囲気の中、魚屋を営んでいる。
「以前は、体が冷えて大変だった事もあるが、苦痛に思った事はなく、お客さんと接すると元気になる。いろいろなお客さんと出会い、『美味しかったよ』の声を聞き、みなさんに喜んでもらえると張り合いになり、頑張れる」と話す。
また、「店に女性がいないと寂しいのではと思い、年齢を振り返らず頑張っている。昔は、お客さんが、手宮や高島、祝津から市場へ来てくれていた。スーパーもなかった時代なのでとても忙しかった。年々人口が減り、子どもが少なくなり、寂しくなった。」
店での一番のおすすめ商品は紅サケ。自家製の銀ダラの麹漬け・サーモンの麹みそ漬けなどのオリジナル商品も販売している。紅サケのかま2切れ500円も人気が高い。オタルンカード加盟店。
今日も美味しい魚を食卓へと運ぶ、手宮市場の看板お母さん。淑子ママの人情ある接客にファンも多い。