2013年9月のベストママ
くつろぎの御厨屋 香蔵

宮尾 祐子ママ

 日本料理を提供するくつろぎの御厨屋(みくりや)「香蔵(かぐら)」は、店主宮尾俊央さんと女将祐子さん夫婦の息のあったコンビネーションで、店を切り盛りしている。開店10年目を期に、小樽嵐山通りから今年8月にJR高架下に新店舗を構えたばかり。

 祐子さんは、現在44歳。東京生まれの東京育ち。子どもの頃から好奇心旺盛で色々なことを経験したいタイプだった。学生の頃、どうしても日本料理店でバイトがしたいと、家庭ではないプロの味に興味を持ち、洗い場でも良いからと頼み込み採用された。

 そのバイト先で、新入社員だった俊央さんと出会う。俊央さんは小樽出身で、札幌の専門学校を卒業後、就職先の本社が東京だったため、東京で働くこととなった。順調に交際が進み、2人は結婚して3人の子どもをもうける。

 祐子さんは某有名エステ店での勤務経験も持ち、その時々にやってみたいことを発見し、どんな仕事も楽しかったそうだ。

 俊央さんの病気がきっかけで、札幌の病院で治療するため、俊央さんの地元・小樽へ戻った。そして、小樽で店を持つことに。平成15年に嵐山通りにオープン。「香蔵」という店名は、俊央さんが、東京の神楽坂での仕事の話があったが、縁がなくて実現できなかった。その神楽坂をイメージし、文字は違うが「香蔵」と名づけた。

 料理は、俊央さんの担当で、東京での17年間の経験を生かし、各地の美味しい食材を仕入れ、プロの料理を提供。祐子さんは接客担当。持ち前の明るさと笑顔で、店内をテキパキと動きまわる良く気のつくママ。

 新店舗ではランチを始め、お好み御膳は、ご飯を白飯・お粥・炊き込みご飯の中から1品選べ、漬物、味噌汁、茶碗蒸しが付き、お造り・焼き物・天ぷら・煮物から2品を選ぶことができる。金額も1,150円とリーズナブルでボリュームたっぷり。日替わり定食もある。

 夜は和食を中心に、新鮮な旬の食材を提供。本日のおススメは季節や仕入れに合わせて提供。お造り、揚げ物、焼き物、一品料理、串焼き、うどん、蕎麦まであり、ロースカツ定食も味わえる。店主の意向は、北海道にはないものを食べて知ってもらいたいと、全国各地の食材の素材を活かし、腕をふるって料理する。そんな俊央さんを祐子さんは尊敬しているという。

 小樽の人には、なじみのないメニューで、産地を聞かれたり注文されなかったりだったが、10年間の付き合いの中で、食べたことのなかったメニューが好きになり、「こんなに美味しい物があったんだね?」と言われ、メニューに加えた甲斐があったとじみじみと感じる。東京育ちの祐子さんには、小樽の市場には、東京では目にすることのない魚が並び、柳の舞や生タラコなど違いを感じたそうだ。

 今後の夢は、自宅と店との往復だけで、ずっと仕事をしてきたので、お客さんを通して小樽のことを聞いてはいるが、自分の目で実際の小樽を見てみたい。また、道内巡りをしたいそうだ。

 「店主厳選の日本酒や焼酎など種類豊富に取り揃えているので、こちらも楽しんでもらいたい。道内の旬の魚や国内の美味しい物を食べていただきたい」と、笑顔があったかい「香蔵」の女将・祐子さん。

くつろぎの御厨屋 香蔵

小樽市花園1-2-6
電話:0134-25-0650
営業時間:11:30~14:00、17:30~22:30(L.o)
定休日:不定休 料理・飲み放題付き等、宴会相談受付、4~30名、6人個室・16人個室あり。要予約