2015年4月のベストママ
カラフルキャンドル体験工房Candle・y

金田 千鶴ママ

 1936年創業の北海道唯一のロウソクメーカー・株式会社フジ本芳川商会(緑2・芳川雅勝会長)2階に、体験工房「Candle.Y」を開く金田千鶴さん(46)は、同社会長の長女でキャンドル作家。

 千鶴さんは生粋の小樽っ子。両親の影響で、子どもの頃からテニスを習い、高校時代は高体連出場、高校2年生頃からテニスにはまり、テニスができる札幌の短大へ進学。テニス部でテニスに没頭する学生生活を過ごした。現在も、父や母と一緒にテニスを楽しみ、未だに父には勝てないそうだ。

 千鶴さんが子どもの頃は、仏壇のロウソクというイメージが強く、家業を手伝う気持ちはなかった。結婚して10年前から、祖父母の介護を兼ねて、同社の事務員として勤務。

 小樽職人の会の会員であったことから、毎年5月から10月は、小樽職人の会をメインに、キャンドル作りを団体の修学旅行生など、年間約900人に指導している。

 そのため、3年間も、キャンドル作りを基本から学び、技術を習得するため、東京に通い続けた頑張り屋さん。

 会社2階の工房でも、予約が入ると制作指導を行っている。子ども達が職業体験をするワークステーションで協力したり、ラジオ制作会社の体験取材や、小学校へ出張し指導することもある。また、千鶴さんオリジナルのキャンドルをデザインして販売も行う。友人へのプレゼントにと注文も受ける。

 ロウソク販売会社のため、キャンドルづくりの材料も、すべて千鶴さんの手作り。ロウの液に顔料を混ぜ、バットに広げ、柔らかいうちに、ハート型や細かいキューブを手間暇かけて作っている。色も薄い色や濃い色など、カラフルなロウのキューブが、キャンドル作りは欠かせない。ロウソクの芯の種類も多く、ロウソクの大きさによって使い分けることも大事だそうだ。

 千鶴さんは、オリジナル商品の制作よりも、とにかく、子ども達などへキャンドル作りを教えるのが楽しいそうだ。子ども達は、作ったキャンドルを大切にしまって置くことが多いが、火を灯しても楽しんでもらいたいと言う。制作体験者には、安全に灯りを楽しんでもらうために、必ず取り扱い説明書を渡している。

 昨年の10月には、韓国の大スターヨン様こと「ペ・ヨンジュン」さんが、工房を訪問し、千鶴さんにワックスボウル作りの手ほどきを受けたそうだ。

 昨年2月に、韓国人俳優のチュ・ジフンさんが、東日本大震災の被災者支援活動として制作するワックスボウルの指導ため、小樽雪あかりの路関係者と韓国へ同行した。その俳優のチュさんが、ヨン様が経営する事務所の俳優だったのが縁で、ヨン様が来日し、同工房へ訪れたという。

 千鶴さんは、「淡々と制作を指導し、全工程を自分で作りたいと熱心に取り組んでいた」と話した。その様子は、有料テレビの30分番組で放映されたそうだ。ヨン様が制作したワックスボウルは、同工房に、ケースに入れられ大切に保管されている。

 今年1月から試行錯誤して完成した、紫陽花をあしらった新作のキャンドルを発表。市内色内にある雑貨屋「vivre
sa vie + mi-yyu」で販売中。ドライフラワーにした紫陽花をふんだんに使い、紫陽花が燃えないように工夫が施された素敵なキャンドル。

 千鶴さんは、「この仕事をずっと続け、小樽のロウソク屋さんが作る、キャンドルの町・小樽やワックスボウルの町・小樽を広めていきたい」と笑顔で話した

カラフルキャンドル体験工房Candle・y

小樽市緑2-3-14
電話:0134-34-2255
予約制