ミリケン 恵子ママ
地域をつなぐ、持続可能な暮らしを目指す、みみずく舎代表のミリケン恵子さん(46)は、2015(平成27)年11月から妙見市場で、「ひとりCSA妙見ショップ」を開いている。恵子さんの人柄に引かれ、小さな店舗に人が集まっている。
恵子さんは東京都出身。父親の仕事で、北は山形県から南は九州まで転勤を繰り返した。
現在住む赤井川には、2006(平成18)年から、英語教師でアメリカ人の夫と4人の子どもと暮らし、ヤギや鶏を飼い畑を耕し、自給自足を目指す。2012(平成24)年1月から毎月、ミニコミ紙「おむすび」を発行している。
CSA(Community Supported Agriculture)とは、生産者から消費者へ地場の生産物を直接販売するしくみのことで、これを利用し、地元の野菜を移動販売する「ひとりCSA」を、2012(平成24)年9月にスタートさせた。
2015(平成27)年8月に市内若松店舗前にショップをオープン。市場の重要性を強く感じ、短期間でも利用可能な妙見市場の空き店舗に出店。いろいろな人と出会い可能性を広げ、雨風がしのげトイレまである場所を貸してもらえたことに感謝しているという。
2月~4月の運営日は、毎週木・金曜日の11:30~16:30で、5月以降は、毎週金曜日と月1度の同市場売り出し日(木曜日)。
店内には、地域の野菜をはじめ、農産加工品や調味料など、生産者が分かる安全で安心できるものを提供している。
赤井川産米きらら397とつるの子大豆・米糀・塩を使った赤井川農家の女性達手作りの味噌や、村上農園の放し飼いの卵、無農薬100%のトマトソース、歯舞漁協推薦の根昆布つゆ・昆布ポン酢を販売。
また、週替わりでギャべ・ぱん工房こんがりや・友和の市内3店舗のパンを、売り出し日には3店頭が揃って並ぶ。ホームレスの人達が売っている雑誌The
BIG ISSUEも販売。
ブランド「SWADESHI(スワデシ)」を立ち上げ、小樽在住の人が縫製する手作りの衣服等の販売も始めた。自給と地産地消をコンセプトにしている。恵子さんがデザインした「アクビもんぺ」は、ゆったりとしたおしゃれな女性向けの労働用ズボンだが、可愛らしい布で作られた外出できる“もんぺ”だ。
この活動(仕事)が大好きで、朝採れたての野菜を運び、喜んでくれる人がいて、野菜から人間関係が作られ、いろいろな人と出会い、手応えを感じている。
「世の中を良くしていきたいと心がけ、子ども達に残したい社会にしたい。市場も含め、昔あった良かったものがどんどんなくなっている。人が進んでやらないことをすることで、見えてくることも多く、何かもったいないもの・良いものが落ちている」と話す。
1年前から始めた同市場の憩いの部屋を会場に、講師を派遣して「妙見ゼミナール」」を開催。身近な問題をテーマに、地域の学びの場を提供している。金銭的に負担をかけないコミュニティカレッジを作ることが今後の夢。地域の総合学校を作りたいそうだ。
恵子さんは、「良いものが買えるだけじゃなく、おしゃべりも楽しんでもらいたい」とPRした。