奥平 和子ママ
高齢者が共同生活を送る、わかば館(稲穂3・若西カナ子館長)の1階で、毎週金曜日と土曜日だけ開店する喫茶・軽食「ライム」を担当する奥平和子さん(65)は、ひとり住まいの高齢者に家庭の味を届けたいと、愛情込めて野菜たっぷりのバランスを考えた料理を提供している。
家族に美味しい喜ばれる食事を心がけていた奥平さんは、杜の集いの設立メンバーでもあり、第2水曜日に杜の広場で、菓子作りを担当。高齢者と一緒に、団子やゼリー作りを楽しんでいる。
若西館長も同集い設立メンバーで、館長からの誘いを受け、2013(平成25)年8月に開店。来月で5年目となる。
開店2時間以上前には出勤し仕込みが始まる。娘の千香さんが唯一の助っ人だ。地場の旬の食材を使い、減塩を心がけ、添加物は可能な限り少なくし、奥平さんの家庭菜園で育てた無農薬で新鮮な野菜を使い、安心して食べられる料理を提供している。
今年は、そうめんかぼちゃ・ゴーヤ・ヤーコン・ズッキーニなども植え、収穫時期には採れたての野菜で美味しい料理を作り、お客さんを喜ばせている。
季節や行事に合わせメニューを考えたお勧めおまかせランチは、事前にハガキで常連客に知らせる心遣い。几帳面で努力家の奥平さんの性格が現れている。
7月は小樽まつりに合わせ、14日(金)・15日(土)には赤飯、28日(金)・29日(土)は潮まつりを意識したちらし寿司をメニューにしている。
魚か肉のメイン料理と付合せ・小鉢2品・自家製の漬物・玄米入りご飯と味噌汁に、手作りのデザートも付いて600円。心も胃袋も満たしてくれる満足感たっぷりのランチだ。
コーヒーにもこだわり、札幌でコーヒー教室に通って店を開くアドバイスを受けた。石狩の徳光コーヒーの豆を仕入れ、味わい深いコーヒー(200円~300円)と本日のケーキ(150円)も楽しむことができる。
友人の家に遊びに来たような雰囲気の店内は、食後、奥平さんや館長とおしゃべりをしているうちに、リラックスし過ぎて代金を払うのを忘れて帰る人もしばしば。
奥平さんは、「材料の手配など大変なことも多いが、代金を頂戴してるのできちんとしたものを提供したい。ひとり暮らしの男性にも、ぜひ食べに来ていただきたい」と話す。