三上 典子ママ
中央市場(稲穂3)第3号棟内にある、小樽の老舗和菓子店「みなともち」の三上典子さんは、今日もお客さんに笑顔で対応する看板店員。
同店は、小樽花園4丁目に本店があり、市民に愛され創業70年になる。同市場には、10年ほど前から出店し、市場を利用するお客さんや観光客に、「おひとつからでもどうぞ」と、場内に食べることができるスペースが設けられている。
三上さんの両親も、かつては同市場に店を構えており、子どもの頃から馴染み深く、就職・結婚と離れていた時期もあったが、9年前パート募集の張り紙を見て同店に就職。市場との縁を感じたという。現在も同級生のお父さんの店があり、両隣には花屋や紅茶屋などの新店舗も加わり、店員同士和気藹々としている。
本店から早朝に製造された餅や赤飯が届くと、陳列ケースに並べて販売するのが、三上さんの主な仕事。
昔ながらの製法で作る餅はどれも人気で、その中でもお奨めは大福で、つぶ餡入りの草や豆大福、こし餡入りの白大福、白餡入りの赤大福と種類も豊富。
ヨモギ入りの草と黒糖入りの黒の2種類のべこもちは、焼いて食べても美味しい。べこもちと呼ばれるルーツを、牛(べこ)の白黒から・べっこうのような光沢から・米粉から作るなどと話してくれた。
この他、こし餡の大島まんじゅうやつぶ餡の田舎まんじゅう、甘納豆入りと小豆入りの赤飯、醤油団子や出来たての柔らかいのし餅も絶品。
12月下旬は正月用の餅がピークとなり、1月中旬からはひなまつりに合わせて、うぐいす餅やさくら餅、これが終わると、お彼岸のおはぎ、入学シーズンや祭り時期には赤飯と、季節に合わせた商品が並ぶ。
三上さんは、お客さんの話を聞きながら笑顔を心がけている。9年も勤めていると常連さんもでき、年配の方とは会話も絶えない。しばらく顔を見ないと心配になることもあるという。
「ここのおもちじゃないとダメ」と言われたり、「ご飯は食べられないけど、べこ餅なら食べられる」、「しっかりしていて美味しい」など、褒められると嬉しくなり活力に繋げている。
「買物しないと通りづらいなどと思わないで、気軽にいらしてください。市場の皆さんは気の良い人ばかり。さくら餅やうぐいす餅などの季節のお餅もご賞味ください」とPRした。
満1歳の誕生日の一升餅(背負い餅)などの注文も承っている。