荒木 麻美ママ

国道5号線沿いの春香町にある、らあめんとおばんざい「麺乃夢恋(めんのむこう)」の荒木麻美さん(44)は、札幌出身でパワフルに店を切り盛りする、笑顔が素敵な女性店主。
高校生の頃には、小樽が好きで毎月訪れていたほど。3年前、一家で銭函に引越し、小樽市民に。
19歳で子どもを授かり、7人の子のお母さんでもある。ずっとフルタイムで働き続けてきたが、子どもの頃から店を持ちたいという夢を捨てきれず、今の場所が空店舗と知り、下の子が1歳半の2018(平成30)年5月に、思い切ってオープン。麻美さんの根性は、バトントワラーを始めた小さい頃に培われたもの。
食べ歩きが好きで、色々な場所へ出かけていたが、とくにラーメンに恋して、夢を実現させた思いを込めて店名を決めた。
煮干の出汁がスープの基本で、毎日食べても飽きないあっさり味。お客さんが喜ぶことをしたい、女性店主らしさを出したいと、夜には、麻美さんが腕によりをかけて作るおばんざいが並ぶ。テイクアウトもOKだ。昼にラーメン、夜にはおばんざいを食べに、1日2度も店を訪れる強者の客も。
麻美さん拘りの一品は丼物。月替わりで、奇数月は魚物、偶数月は肉を使いった人気の一品だ。11月は、豚バラを甘辛く煮込み、薬味と一緒に啜りながらいただく和風ルーロー飯、12月は、温泉卵をアクセントにしたしらす丼。これまで一番人気だったのは、鳥セセリの甘辛丼。
酒とおばんさい10品付きのおとなさまセットは、注文したお客さんの「ワッ!」と喜ぶ顔が、なによりも嬉しく、「やりたいことをやって、お客さんにも喜ばれ、全くストレスがない」と、笑顔を見せる麻美さんの誰からも親しまれる人柄を感じた。
文字を書くのも上手な麻美さんは、話題作りに繋がればと、独学のPOP文字で、毎日欠かさず旬な話題を広い取り上げ、ニュース等を壁に貼り出し、情報発信している。
秋には、食のイベント「さっぽろオータムフェストラーメン祭り2019」にも初出店した。チャレンジ精神も旺盛で、少しもじっとしていられないという。
日頃、カウンターに並ぶおばんざいを食べているお客さんからは、年末のオードブル依頼があり、今年はすでに予約でいっぱい。
オーダーメイドで、人数や好みなどを配慮して、食材にも拘り出来立てを提供。宣伝しなくても、沢山の注文が来ているという、味良し・値段良し・店主の心意気良しの3拍子が揃った傑作だ。
「お客さんの胃袋も心も満たしてあげたい」と、来店を呼びかけた。