2003年11月のベストマスター
パブサロン カヌー

富樫 正則マスター

 この道一筋42年7カ月。小樽生れで、旅行以外では、小樽を離れたことはない樽っ子。色内小から5年で転校し、緑小、東山中、千秋高へと進む。

 会社勤めの給料取りのサラリーマンが嫌で、1カ月で廃業。給料の高い水商売へ。バーテン、ボーイの仕事を4年間修業し、22才で独立。昭和36年7月、花園に10坪のトリスバー“カヌー”を開店。

 “カヌー”という店名は、「船は前に進むもの。丸木舟のカヌーは、嵐が来てもすぐ元に戻るから、商売でも、花も嵐も乗り越えて元に戻ることから付けた」 昭和42年に現在地に移る。

 この道すでに42年7カ月。浮世通りの界隈では「福八」が一番古いが、バーでは小樽でも最も古い方に入る。トリスバー、サントリーバー、パブサロンと名前は変わったが、「お気軽な大衆の飲み場所は変わらない」と、話し上手なマスターの口調はやわらかい。花園の盛衰と共に歩み、夜の小樽の歴史を作ってきたうちの一人。

 「景気の良い頃は、年末から正月にかけ、大いに客が入り、金も貯まったけど、景気が悪くなり暇で、今では全部使い果たしたよ。みんな吐き出したので、ご心配しないで下さい」

 現在、小樽美術館で開催中の富樫正雄展の画家とはいとこにあたるという。昭和13年生れ。

パブサロン カヌー

花園3-7-15
0134-32-4070