2004年9月のベストマスター
宝寿し
下間 康弘マスター
香ばしく焙った穴子の握りが旨いと評判の花園の寿司店「宝寿し」を、先代から譲り受け暖簾を継ぎ、3年目に入る若い店主のマスター。
稲穂小、西陵中を出て、同級生だった父親の寿司店に入り、そのままずっと修業を続ける。「辞めようと思ったこともあったが、それを乗り越えてここまでやってこれた」と、穏やかな口調で語る。
札幌の寿司店でも、短期間だったが修業し、ここでの経験が一番勉強になったという。寿司一筋ですでに21年目の年期を誇る。
20歳の時に出会って「ビッビッときた」女性と結婚。ママは旭川出身だが、「あっという間に結婚した」と笑う。二男一女の父でもある。寿司店修業も20年経ったら独立したいと思った時に、先代の「宝寿し」が辞めると聞き、先代に会うと、他にやりたい人がいっぱいいたのに、ぜひ君にやって欲しいと言われ、平成14年4月に新装オープンし、すでに3年目に入っている。
「穴子の味だけは残してくれ」と言われた先代譲りの穴子の握りが、今でも人気メニューだ。「観光客も来るが、地元の人がかわいがってくれるので、この不況を乗り越えてこれた」と話す、大きな目の活発なママと2人で店を切り盛りする。
温厚で優しい目で「小樽は人間的にあったかい街で、この花園でずっと一筋に生きてこれてありがたい」という。36歳の旬のマスター。
酒は「嗜む程度」と言ったら、傍らのママがコケて大笑い。「いや、どこまでも付き合える」と言い換えた。姉さん女房のママとの絶妙な会話が心地良い。