2004年10月のベストマスター
日帰り温泉“ゆらぎの湯” ※閉店

大庭 宏之マスター

 小樽朝里川温泉の道道定山渓線の一本下の通りの朝里川の清流沿いに、柔らかいロウソクの灯りに包まれた、小さな日帰り入浴施設“ゆらぎの湯”がある。この“ゆらぎの湯”のマスターを2003年4月から勤め、深夜2:00まで入浴出来るユニークな施設に変身させた。

 東京世田谷で生まれ育った東京っ子。20年前の高校生の時に、東京から自転車旅行で北海道を一周し、高卒後には自転車で日本一周もしたという。

 北海道の写真を見て、こういうきれいな所に行ってみたいと、テントを持っての自転車旅行。河川敷や駅のロータリーなど、駅長室に泊めてもらったことも。北海道旅行で色々な人間的なふれあいがあり、こういう所で一生暮らしたいと思ったという。

 東京のサラリーマン生活が嫌になって、25歳で車一台に荷物を載せ、新潟からフェリーでやって来た。会社を辞めて北海道に行くというので、家族は全員反対だった中での決断だった。札幌でのアルバイト生活を経て、酒類販売のデリーズ静内店に5年間勤務。拓銀破たんでデリーズも消え、苫小牧のホテルを経て朝里のホテルへ。

 30代で絶対に独立したいと思っていたので、静内にあったバーをやりたいと、朝里のウィンケルで、バーを開き“ゆらぎの湯”をやってみないかとの話があり、日帰り入浴施設のマスターに。

 若い人は夜に動く時代で、他の入浴施設の閉店後にも、軽食をつまめるバーを併設して、深夜3:00(受付2:00)まで営業する。

 朝里川温泉の最近の水道水加水の問題などで揺れる中での温泉入浴施設の経営に力を注ぐ。「当施設は加水の時には、加水があると表示していた。不当表示などはしていないのに、他の地域の温泉問題と一緒にされている」と、怒りをぶつけられない悩みの中、時代に合った小さな日帰り入浴施設経営に、隅々まで心を注ぐ、どこまでも真面目なマスターだ。

日帰り温泉“ゆらぎの湯” ※閉店

小樽市朝里川温泉
0134-54-5006
平日・土曜日15:00~深夜02:00受付終了
日曜日・祝日12:00~深夜02:00受付終了