2004年2月のベストマスター
寿し処 ひきめ

蟇目(ひきめ) 敏一マスター

 小樽花園の花銀通りの寿司店ひきめの店主。日本海に面した瀬棚の生まれ。小中学校を、冬の厳しい瀬棚で過ごし、中卒後、名古屋の紡績工場に就職。しかし、名古屋の暑さは骨身に堪えた。「あまりの暑さに、友達と自転車で海まで行って、足を波に浸けながら寝たこともある。」お盆に帰省して、北海道の気候の爽かさを実感。名古屋は身体に合わないと、兄がいた小樽へ。

 兄の勧めで、丸井今井にあった食堂の寿司部門に、5年間勤める。「最初は寿司をやりたい気持ちはなかったが、仕事をしているうちに、だんだん寿司の仕事が面白くなってきた」と、スパル街の角にあった寿司店で13年間の修業。この時に寿司店のほとんどのことを修得したという。この後、政寿司に8年間勤め、寿司の研鑽を積む。

 19歳の若さで結婚。20歳で子供が産まれ、生活がかかっているから、安月給でも辞めるに辞められず、店が終わってから夜のアルバイトに精を出した。

 寿司の各店での修業の後、42歳で現在の店をオープン。「店を始めた頃が、景気もどん底だったが、毎年売上も伸びており、やって良かったと思う。」

 東京で3年間修業して、昨年の春に帰って来た次男と一緒に仕事が出来るのが、「一番うれしい」と語る口調に、やさしい寿司職人の真面目が伝わってくる。47歳、今が旬のマスター。

 「瀬棚の15年より、小樽の30年の方が長くなった。小樽は暮らして住みやすい街で、他所へ行こうという気がしない。」

寿し処 ひきめ

小樽市花園1-8-1
0134-27-6433

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