2006年3月のベストマスター
沙羅衣

畑野 天秋マスター

 小樽駅前にある小樽中央市場第3棟(稲穂3)で、新たにチョコレート専門店「沙羅衣」を平成18年2月1日にオープンさせたマスター。

 「幼少の頃、両親が商売していた場所が砂川市の“中央市場”で、“中央市場”という名前に愛着があったから、この場所にオープンしたんだ」というマスターは59歳。

 札幌で企画開発会社「紗羅衣コーポレーション」の代表取締役でもあるマスターは、70%以上のカカオを含むビターチョコレートにこだわる。

 チョコ専門店を経営するマスターは、父親の成功する姿や失敗する姿などを見てきたため、「商売は嫌い」と断言するが、結局、商売が嫌いで違う道を選んだはずなのに、同じことをしている。不思議なものだね」と苦笑いする。

 企画開発会社で、九州の百貨店で「北海道のバレンタイン」という企画のため、道内のチョコレートを集めることになった。ビターチョコレートの板チョコは見つけられず、「見つけられないのなら自分で作ってしまえ」と、同社で開発に取り掛かったという。

 70%以上のカカオを含むビターチョコレートの製造にあたり、「色々大変だったんだよ。70%も含むと苦くて」。砂糖などを綿密に調整し、完成したチョコレートは、カカオ72%のビターチョコレート140g(683円・税込)と110g(525円・税込)、まろやかで身体にやさしい。「少し高値になるけれど、食べてもらえばその良さを分かってもらえる」と自負する。

 マスターは、木彫の職人でもあり絵描きでもある。中央市場にオープンした店の「沙羅衣」と彫られた木製の看板もマスターが作成、製造したビターチョコレートのパッケージの絵も自分で描いた。銭形アザラシ・蝦夷オゴショ・モモンガ・リスの4種類で、すべて鉛筆や水生ペンでデッサンしたもの。

 「小樽の市場から、この板チョコが広がってくれれば」と、小樽中央市場から全国に向けてビターチョコレートを販売。北海道では小樽以外では販売されない。カカオ70%以上、小樽中央市場での販売にこだわる、チョコレート専門店「沙羅衣」のチョコマスター。

沙羅衣

営業時間11:00~17:00(日曜定休)
小樽市稲穂3-11-3
0134-27-4111