鈴木 創マスター
小樽都通り商店街で、ベネトン小樽店を経営するマスター。ブティック経営者の顔のほかに、20世紀のポピュラーミュージックに詳しい、音楽評論家の顔も持っている。自らの手で開設した20世紀ミュージック作品集サイト“音魂大全(おとだまたいぜん)”が、本にもなり人気を博している。
関東で自動車設計技術者として就職してから、13年間で買い貯めたCD・レコード・DVDは、ざっと3,000枚を超えている。14年前に、この大量のレコードやCDの整理をしたことが切っ掛けで、ミュージック作品集サイトを開設することになった。
最初は、聞き返したアルバムのタイトルや年、国、感想をまとめたカルテを手書きでまとめた。3,000枚をまとめるのに3年もかかったという。
その後ワープロやパソコンが普及し、各年代ごとの曲の特徴などをまとめ、1960年から1999年までのデータベースを完成させた。知人からホームページ作成の指導を受け、2000年6月2日に“音魂大全”を立ち上げた。1日2,000件のアクセスを数えたこともあったという。2006年2月には、洋泉社から出版のオファーを受け、音楽作品集サイトがB5版680ページの本になった。
これまでに100冊を超える著書に目を通し、ミュージシャンの概要を広く書きまとめた。学生の論文の参考になることもあるという。現在は、映画や異人伝、20世紀事件簿などで、音楽と関わりのあるエンターテイメントについてもまとめている。「これで20世紀の究極のアートが分かるようになる」と満足そうに話す。
音楽のほかに、アウトドアや旅行も大好きで、これまで訪れた国は10カ国以上。1カ国に最低でも1週間滞在し、趣味のスキューバーダイビングやカヤックを楽しんだ。アラスカでは、カヤックに乗りながらクジラウォッチングを経験。わずか5m先でクジラが泳ぐ姿を見ることが出来た。「クジラは頭が良く、人間が近くにいることが分かるので、波を立てずに浮き沈みする」と興奮して話す。
インド旅行の際には、帰りの飛行機でオーバーブッキングされ、1週間帰国が延長されるというトラブルに見舞われ、会社にいつ戻れるか分らないと国際電話をしたという。数々の旅行先で、観光ツアーでは味わえない体験をし、旅行談義を交わすと話がとまらない、ベネトン小樽店のマスター(47)。