2007年8月のベストマスター
蔵の人形ギャラリー瀧本

進藤 幸正マスター

 1946(昭和21)年創業の“蔵の人形ギャラリー瀧本”の三代目マスター。日本人形の伝統文化を世界に発信したいと、アメリカ・ニューヨークでの展覧会開催の実現に向けて日々奮闘中だ。

 建築関係の仕事に就いていた進藤さん(49)は、13年前に奥さんと結婚して、日本人形の卸・小売の同社に。4年前に、二代目から引継ぎ、大量商品化される雛人形業界の中で、伝統ある職人の手で創られた逸品を揃え、こだわりを持って販売している。

 「日本では、昭和・明治など古い日本人形にスポットを当てるが、伝統を持って創っている今の職人にスポットを当てないと、職人がどんどん減ってしまう。だから、現在もその技を持っている職人を紹介することが、我々の使命だと思っている」と、水戸や札幌など全国でも展覧会を行っている。

 蔵のギャラリーでは、現在、書と雛人形のコラボ展を開催している。雛人形の屏風の代わりに書物を掛け、その雛人形が持つイメージを表現している。全国各地でも好評を博し、「ニューヨークでも、この日本の伝統文化を広めたい」と意気込む。

 「経済の発展の中には文化がある。文化があるところは経済が発展している。港町小樽は、問屋の町で芸術的なものがたくさんある」と小樽からの発信にこだわる。

 ギャラリーに訪れた客には、雛人形の背景や着物の由来など歴史を丁寧に教える。「可愛いから、綺麗だからだけで買ってしまうよりも、時代背景なども一緒に持って帰ってもらうと、その人形の歴史が代々受け継がれていくと思う」

 人形のことを語ると、時間はあっという間に過ぎてしまう。小樽で数少ない雛人形マスターだ。

蔵の人形ギャラリー瀧本

営業時間:
10:00~19:00(1月~4月 無休)
10:00~18:00(6月~12月 土日・祝祭日定休)
小樽市入船1-2-26
0134-22-8277

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