2008年2月のベストマスター
らぁめん ウポポ

森熊 一夫マスター

 ほのかな海の香りがする店内。豚肉・鶏ガラ・道産野菜と、新鮮な魚介類を合わせた風味豊かなスープにこだわる「らぁめん
ウポポ」のマスター(34)。

 小樽生まれ。夏はサーフィン、冬はスノーボード、自然大好きな超アウトドア派。キリリとしめた手ぬぐいがシンボルマーク。

 実家は転勤族で、小学校1年生の時に小樽を離れ、道内を点々とした。大卒後に就職した会社を10年で辞め、香港までの片道切符を手に、西遊記のように天竺を目指して旅立った。バスや列車の陸路でアジアの10カ国以上を回り、途中で中国の少数民族と出会い、帰国後は、北海道のアイヌの祭りや文化に触れた。この影響で、店名にはアイヌ語でウポポ(唄)とした。

 中学校の文集に「ラーメン屋になりたい」と載せるほどのラーメン好きなマスターは、小樽運河浅草橋街園前の出抜小路に空き店舗があることを知り、オープンを決意。しかし、ラーメン作りの経験のないまま、オープンを決めたという。飲食店での経験は、スープカリー屋でのアルバイトのみ。札幌のラーメン職人のもとへ弟子入りし、店作りとともにラーメン道の修行に入った。師匠に教えてもらった基本の作り方に、自分でアレンジを加えた。

 開店当日、親戚に試食をしてもらうと、「前に食べた味と違う。こんなのお客さんに出せるか」と一喝され、その一言から開店を一時延期。「あの一言がなければ、今のようにラーメンの研究をしなかったかもしれない」と話す。

 最初はしょうゆラーメンだけだったメニューが、オープンから1年半、今ではみそ・塩味も追加。長時間煮込んだ豚骨・鶏ガラに、利尻昆布や秋刀魚など7種類の魚介類を合わせたスープが自慢。こだわりは、一般的な食材を使っているが、手間をかけて美味しくしていることと、しょうゆ・みそ・塩味で麺の種類を変えていること。

 「小樽の水は最高に良い。それが最大の武器にもなっている。観光地で営業しているが、だんだんリピーターも多くなってきているので、本当に感謝している。北海道のラーメンが中国やシンガポール、ニューヨークに進出しているので、いずれは海外進出もしたい」と夢は大きい。

らぁめん ウポポ

小樽市色内1-1-17 出抜小路1F
営業時間:11:30~15:00、17:00~20:30
定休日:火曜日
0134-34-4141