2008年5月のベストマスター
PRESSCAFE(プレスカフェ)

稲葉 圭計マスター

 北運河の旧渋澤倉庫の一角にあるPRESSCAFE(プレスカフェ)。札幌から小樽へ移転し、今年で2年目。ひげが似合うマスター。

 日高出身の51歳。実家が転勤族で、道央道東を回り、大学進学のため札幌へ。卒業後も札幌で就職。建築内装や飲食業などの企業に勤めた。30代の時に、趣味の1900年代イギリス製ヒストリックカーを3台所有。保管する場所を札幌月寒に借りたところ、いつのまにかカフェにしていた。バブル崩壊とともに勤めていた会社は倒産し、カフェ経営で生きていくことを決意した。

 ヒストリックカーが並ぶ店内には、車と車の間にテーブルを配置し、客は、クラシックカーを鑑賞しながら、コーヒーも楽しみ時を過ごす。車の販売・整備関連業務も行っており、「違法改造スポーツカーを作っていて、お茶も飲める店だと誤解
されていた」と笑って話す。ちょいワル風の渋い顔から、白い歯がこぼれる。オープンから16年、突然の立ち退き話で、札幌月寒の店に幕を下ろした。

 1年後、「小樽で、築111年の石造り倉庫を使ったカフェが閉店したので、使わないか」と、知人から連絡が入った。カフェをまたやる気はなかったが、せっかくのお誘いだから見てから断ろうと足を運んだ。店内に足を踏み入れると、店のイメージがすぐに沸いてきて、その場でやりますと即決。一気に開店準備を進め、1ヵ月後の2006(平成18)
年5月にオープンした。

 高い天井を持つ広々とした空間。札幌の店と変わらず、お気に入りのヒストリックカーを展示。大きな窓からは、小樽運河に浮かぶボートと歴史的建造物が見える。自慢のオリジナルインドカリーやスパゲティ、スウィーツを提供。「小樽の若い人は小樽に関心がなく、どちらかというと札幌に目が向いている。こんな素晴らしい場所なのに本当にもったいない。何十年かかるか分からないが、小樽が誇る店と言われるようになりたい。お客さんが来ないからって、早い時間に店を閉めず、夜の10:00まで営業している。地元の人でびっしりになることもある。もっと地元の人たちが来てくれるような店にしたい」と語る。

PRESSCAFE(プレスカフェ)

小樽市色内3-3-21 旧渋澤倉庫内
営業時間:11:30~22:00
定休日:年中無休
0134-24-8028

お店のHP