2008年6月のベストマスター
水琴窟(すいきんくつ)

佐藤 正晃マスター

 菓子工場だった古い家に暮らしながら、カフェ・宿・足もみ・ものづくり・デザインを行う。「1人のお客さんとの出会いから、何か蠢き(うごめき)ができて、大きなものへと変わると思う」と、人との出会い・交流を大切にしている。

 古民家カフェと宿「水琴窟(すいきんくつ)」をオープンして、6月でちょうど1年。カフェは、樽っ子や観光客との出会い・交流の場。宿は、北海道に来る旅人が安く泊まれるように併設。10畳と6畳の和室(1泊3,000円)を用意している。

 故郷の京都で暮らす中、「中国伝来の茶道や書、建築をつきつめたい」と、中国・上海に1年留学。その間、シルクロードを旅し、町ごとにある小さな宿に感動。ひとつの町を見て歩き、そしてまた次の町へと旅を続けた。

 帰国後、中国で出会った友人を訪ねるため、初めて北海道に足を踏み入れた。来道した日に舞っていた初雪に心動かされ、一冬をこの北の地で過ごすことにした。札幌の出版・編集社に就職し、フリーカメラマンやデザイナーなど、様々な人と触れ合い、刺激を受けた。編集長と制作プロダクションを立ち上げようと小樽に移り住み、フリーのデザイナーへ。

 「組織というグループの中で物を創るのではなく、色々な人とのつながりで、クリエイティブなことをしたい。人それぞれの個性を合わせて物を作りたい」と、人と巡り合う場所を作るためにカフェと宿をオープンした。

 現在、足もみや太極拳による健康法に夢中。あんま・はり・きゅう師資格取得のため、目下勉強中。カフェのサービスの一環で足もみを行っている。1時間700円と安くて気持ち良いことから、同店一番の人気メニューになっている。「肩コリや腰痛など、体の調子が悪いところは、足をもめば良くなる。体の疲れを取り除くと、すごく感謝され、やりがいがあると感じている。改めて中国の東洋医学がすごいと実感させられた。中国に行ってから10年、ようやく中国とのつながりを感じている」

 「山・海の自然があり、札幌という都会にも近い小樽で過ごし、色々な人と出会って考えて共鳴しあって、よその人が新鮮に感じる小樽の“当たり前”を世界に発進したい」と、人とのつながりを大切にするマスター。

水琴窟(すいきんくつ)

小樽市山田町3-18
営業時間:8:00~20:00
定休日:毎週火曜と満月の翌日
0134-27-3270

お店のHP