2008年8月のベストマスター
Trattoria Confortevole(トラットリア・コンフォルテーボル)

小林 由成マスター

 商大・商業高校に上る地獄坂にある居心地の良いレストラン“トラットリア・コンフォルテーボル”のマスター。道産食材と自家製にこだわり、身体にやさしいパスタやピザを作る。

 重い木の扉を開けるとJAZZの音色が静かに流れる。1階はカウンター席、2階はテーブル席の小さなレストラン。愛妻と作り上げた店内は、落ち着いた雰囲気が広がる。

 新潟出身の43歳。高卒後地元のレストランで、皿洗いのアルバイトを始めた。余り物や食材の端で作られる賄に感動し、洋食シェフの道へ。「両親共働きで、冷蔵庫にあるもので料理をするのが好きだったから」と話す。

 しかし、このレストランを突然退職しプータローに。2ヶ月間ぐらいダラダラしていると、親に家にいるなと言われ、求人誌でフェリーのサービス業を発見。半年の短期アルバイトのつもりが、「やりたいことがないなら、残っていろ」と言われ、17年間働いた。

 この間、本社のある小樽に住居を移したことで、小樽人に。「こんなに過ごしやすいところなのか」と小樽を再確認。小樽の女性と結婚し、子供も授かり家族が出来た。船に乗っていると子供とも離れる期間が長く、「家族と離れるのが寂しかった。奥さんはデザートを作るのが好きだったから、二人で小さい店でもやろう」と店舗探しを始めた。

 「堺町通りで探していたが家賃が高く、中心市街地にも中々良い物件がなかった。たまたま、今の場所が見つかって決めた」と、店舗探しに2年を要し、2005年10月にオープン。「最初は、口コミで
お客さんが来てくれるだろうと甘く考えていた。雑誌などで掲載してもらってようやく情報が広がり、3年でやっと口コミで来てもらえるようになった」と苦笑い。

 黒のエプロン、バンダナ、顎鬚がトレードマークだが、「黒が特に好きとかではなく、白だとトマトソースが付くから」と単純な理由だが、こだわりの全てを料理にかける。「最初から手作りをコンセプトにしていた。食材は外産のものを使っていたが、道産食材と食べ比べると全然違うので、コストはかかるけれど、美味しいものを提供したいから」と微笑む。

 夫婦のやさしい雰囲気が漂う居心地の良いレストランで、素材の味を大切にするマスター。夢は“店から小樽の景色が見渡せるところに移りたい”

Trattoria Confortevole(トラットリア・コンフォルテーボル)

小樽市富岡1-20-1
営業時間:
ランチ11:30~15:00(Lo 14:30)
ディナー17:30~22:00(Lo 21:00)
定休日:不定休(月3回程度)