2009年11月のベストマスター
cafe MAKAP

倉林 範行マスター

 市役所通り沿いにある美容室駐車場の一角を拠点に、移動式カフェで自家焙煎コーヒーを提供する「MAKAP」の経営者。

 群馬県出身の27歳。脱サラして、昨年夏、小樽で開業した。

 学生時代、東京農大オホーツクキャンパス(網走市)で知り合った友人と二人で、頻繁に喫茶店巡りをしていた。卒業後は、それぞれ本州でサラリーマンとなったが、「二人で自分たちが美味しいと思えるコーヒーを出す店を作ろう」と、夢の実現のための資金を貯めることに。

 働きながら、焙煎方法を勉強し、群馬にあった移動式カフェに通い、一からノウハウを教わった。

 「群馬の移動式カフェのマスターから、『今まで何人もの人が教えてくれとやって来たが、君は他の人と目が違った』と色々教わった。そのマスターは、移動式カフェで奥さんとお子さんを養っていた。これで生計を立てることも無理ではないと思って、車で移動式カフェをやろうと決意。大学で訪れた時に感じた、スケールの違う北海道の大自然に惹かれ、北海道で開業することに決めた」 

 昨年春に脱サラ。札幌・小樽などを移動するためと、二人で桂岡町の一軒家を借りて移住した。約150万円かけて、中古車(スバル・サンバー)を購入し、コーヒーマシーンなどの設備を入れて改造。昨年8月、開業準備が整い、小樽市で夢の第一歩を踏み出した。

 市内各所で営業中に、市役所通りにある美容室の経営者と知り合い、昨秋から同店駐車場を拠点に営業することになった。駐車場使用は無償。小樽の人の温かさに感謝。

 1回にたった500gしか出来ないという焙煎機「サンプルロースター」を使用。「焙煎は、季節や室温、火加減で味が変わる難しさがある。最低限の味はあるが、正解はない。試行錯誤しながら、今でもまだまだ勉強中。これだという味を出すまでには、時間がかかりそうだ。でもそれが楽しい」

 昨年12月、相方は小樽で知り合った女性と結婚した。子供も授かったことで、会社勤めをすることになった。

 「相方は、タバコを買いに桂岡町のコンビによく行き、そこで当時店員だった奥さんと知り合った。何回も買いに行くうちに、奥さんもタバコの種類を覚えてくれるようになった。桂岡町に住んだことで、二人が出会うことになり結婚し、そしてひとつの命が誕生した。群馬から出て来て移動式カフェを北海道でやったことの使命を果たした気分に思える」と話す。

 温かい人柄のマスター。まろやかで上品な自家焙煎コーヒーを提供する。一杯200~300円。マイカップ持参で10円引き。豆100g(10杯分)・450円。自身の出身地で、梅の生産率全国第2位の群馬県の梅ジュースも、ホット320円・コールド350円で販売している。

cafe MAKAP

小樽市花園2丁目5-20 市役所通り
ヘアースタジオ クリエーション駐車場
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
090-4758-7198