2009年7月のベストマスター
居焼きとり 炭よし

菊地 智マスター

 「住吉町で商売させてもらっているので、近所の人たちが安く飲めて食べられる店にしたい」と、昨年6月、焼とり「炭よし」をオープンした「らーめん おたる蔵屋」の経営者(45)。

 常連さんから安く飲めるところが欲しいとの要望を受けてオープンすることになった。当初、飲みを中心とする立飲み屋にしようと考えていたが、いざ内装工事に入ると、「どうせ飲み屋にするなら、自分が好きな焼き鳥をつまみに飲めた方がいいかもしれない」と、急遽、焼とり屋に変更。

 運河店の店長が、焼とり屋経験者だったことから、焼き方、タレの作り方など一から教わった。昨年2月にオープンする予定だったが、肉の脂が少なく“若いタレ”だったことから、4ヶ月オープンを延期し、タレを育てた。

 小樽出身で、薬品メーカーや金融機関で働いた。8年前に、知人の紹介で、サラリーマンから一転、「らーめん
おたる蔵屋」の経営者に。「金融機関に勤めている時に、人を使う大変さを知っていたので、まさか自分が経営者になるとは思わなかった」と苦笑い。

 「いざ経営者になってみると、従業員が年上でもみんな自分の子供みたいに思えてくる。自分の子供に対する気持ちと同じように、従業員にも良い生活をさせたい、良い物を食べさせたいと思った。俺はそのために働いている。薬品メーカーや金融機関で働き、今とはまったく別の職種だが、過去の経験は職種が違っても活かせるのではと頑張っている」

 「小樽の街が大好きで、何が何でも元気にさせたい。そのためには、まず自分が商売させてもらっている住吉町を元気にしないと“アンバイ(具合)”が良くない。この町の人が要望した、安く飲めて食べられる店を開いて、少しずつ活性化させたい」と語る。

 穏やかな表情からチラリと垣間見える力強い眼差しが思いを語る。

居焼きとり 炭よし

小樽市住吉町10-1
営業時間:17:00~24:00 (LO:23:30)
定休日:日曜日
0134-61-7018