2010年1月のベストマスター
Fits(フィッツ)

阿部広史&古澤貴成マスター

 「この不景気を乗り越えて、ピンチをチャンスに変えたい」。花園飲食街の”宵待ち通り”にある澤田ビル1階のバー「Fits(フィッツ)」の2人のマスター。

 奥沢出身の阿部さんと石山町出身の古澤さんの2人は、小学生から始めたサッカーが縁で知り合った。大会で顔を合わせる程度だったが、高校3年生の時に共通の友人を通して親しくなった。社会人になってからは、バイクという共通の趣味を通じて、毎晩飲み歩くほど仲良くなった。「遊ぶと言えば飲んでたな」

 昼間は、阿部さんが配送業、古澤さんが美容師と、別々の職業を持つ。水商売の経験のない2人だが、「以前から店を始めたいと話をしていた。2ヶ月くらい前に、いつものように飲みながら話していた時に、自分たちのカラーが出せるような店を本当にやろうと決めて、一気に準備を進めいていった」

 内装を木目調の落ち着いた雰囲気に仕上げ、アジアンテイストのアイテムを飾る。「店名は最後まで決まらなかったが、僕達は24歳でまだ若いし、分からないことが多いけれど、色々なお客さんに合わせられるように“Fits”とつけた」

 14席(カウンター6席)の小さな店内に、客と彼ら二人の笑い声がこだまする。「自分たちは金がなかったので、いつも少しのお金で飲み歩いていた。だから色々な人たちに気軽に来てもらえるような店にしたい」と明瞭会計を目指す。ビール450円・カクテル400円・焼酎ボトル1,800円。飲み放題・男性2,500円、女性2,000円。

 「小樽が好きだし、自分たちが生まれ育った街で勝負をしたくなったがしたい」と意気込む。中学・高校時代はちょっとヤンチャだった二人。「おかげで先輩から後輩まで、たくさんの仲間たちが、店をオープンしたことを聞きつけて立ち寄ってくれる」

 阿部さんは8年、古澤さんはほんの数ヶ月ほどで伸ばした長いあご鬚が特徴的な2人。服の下にアームレスリングで鍛えた筋肉隆々の太い腕を隠す阿部さんは、穏やかな口調でその場を和ませ、アジアンテイストの服装を着こなす古澤さんは、得意の漫画談義で会話を弾ませる。

 24歳の青年二人が、不景気の荒波に負けじと、今、小樽の繁華街で歩みを始めた。

Fits(フィッツ)

小樽市花園1-11-16
0134-22-5992
営業時間:19:00~お客さんが帰るまで
定休日:なし