2010年10月のベストマスター
ROCKCITYBAR LENNON SENSE(レノン・センス)

堺 修司マスター

 2,000枚のレコードと数え切れないほどのCDを店内に並べる、ROCKCITYBAR「LENNON SENSE(レノン・センス)」のマスター(55)。ジョン・レノン、エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、坂本冬美、Superfly、AKB48など、すべてのジャンルの音楽を愛し熟知している。

 小学校5年生から音楽に興味を持ち、ラジオの深夜放送や米軍の家族向けラジオ放送FEN(Far
East
Network)を聴いて、音楽情報を入手。中学校3年生の時にはバスに乗って、余市から小樽の玉光堂まで毎日通った。

 「当時、社長の奥さんが『レコードが欲しいのなら、3回で払っても良いよ』と言ってくれた。それで手に入れたのが、ジョージ・ハリスンの3枚組レコード。当時で5,000円だったから、中学生の自分にとっては大金。今の価値で言うと30,000円くらいになるかもしれない」と、カウンター上からそのレコードを取り出す。小学生時代から音楽漬け。

 余市高校在学中は、NHK放送コンクールで、鰊漁が栄えていた時代の人間模様を描いた文芸作品を出品、全国4位に入賞。
放送学科のある大阪の大学へ進学し、NHKの下請けの制作会社でアルバイト。朝ドラの製作現場に足しげく通った。

 卒業後、ソニー傘下のレコード会社に就職するも、上司とのソリが合わず2年半で退職。地元・余市へ戻ってきた。知人の縁で、丸井今井小樽店裏にある北海ビル隣でオープンすることになった、ダンスホール「ヒーロー」の音声を一手に担うことになった。機材やレコード集めまですべて行った。

 「マイケル・ジャクソンのオフ・ザ・ウォールのプロモーションビデオを、プロジェクターを使って流した。当時は一般家庭にビデオが普及していなくて、マイケル・ジャクソンのプロモーションビデオをディスコで流したのは俺が初めてだ」と自負する。

 1986(昭和61)年に、花園に「LENNON SENSE(レノン・センス)」をオープン。レベルの高いスピーカー・機材で、客に合った音楽を流し、至福のひと時を与えている。

 「音楽なしでは今日はなかった。音楽の出会いで人生が変わった。人との出会いで人生が変わるように、音楽も人生を変える。この店で、お客さんに合わせて曲を流している。お客さんは、その曲を聴いていた時代に戻り涙を流す人もいる。音楽は一時でもその時間に戻らせる。今は50歳でも、10代の頃に戻れる。仕事のストレスを発散し、エネルギーを溜めて、明日の糧にしてもらえたら嬉しい」

 バーでのライブのほか市内各所でもライブイベントを行う。花園の街中で音楽イベントも計画している。「俺の仕事は、良い音楽を伝えていくこと」と、音楽への情熱を熱く語る。

ROCKCITYBAR LENNON SENSE(レノン・センス)

小樽市花園3-8-12
0134-32-6954
営業時間:20:00~02:00
定休日:日曜日(イベントの際は営業)