山本 貴雄マスター
両親が始めた「パブマッキンレー」(花園1)を守る2代目マスター(31)。
「ホテルマンになりたくて、そのためには英語が必要だと思った」。高校を中退し、知人のゴルフ場やニセコのスキースクールでアルバイトをして英会話教室の費用を貯めた。
通い始めた英会話教室の担当教師が、カナダのバンクーバー出身で、現地の写真を見たりするうち、北海道に似た雄大なカナダの自然の魅力に惹かれ1ヶ月間の短期留学。
帰国後は、カラカミ観光のホテルビジネススクールに通い、朝里クラッセホテルのアルバイトを紹介され、夢のホテルマンとしての道を歩み始めた。この後、ヒルトンや蔵群などで経験を積んだ。
26歳の時、祖父の体調が悪化したことで、母親が同店を閉めることを決めた。しかし、「20年以上続けている店なのだから俺が引き継ぐ」と、ホテルマンを辞め、2代目マスターとして新たな世界へ進んだ。
「ギャップを感じたのは言葉遣い。ホテルでは当たり前の敬語が、パブでは堅苦しい。中々くせが抜けなくて大変だった。でも、ホテルマンとしの経験が役に立ったのは、1回カウンターに座ってくれたお客さんの顔は覚えるということ。瞬時にボトルが分かる」
「親がバブルの時に営業していたので、悪い時代に引き継いだなとみんなにからかわれる。こんな時代だからこそ、花園に来てくれたお客さんには、うちの店だけでなく色々なお店に回ってもらい、何度も足を運んでもらいたい」
店内には、憧れのカナダやアメリカの旗を飾る。趣味はゴルフで、昨年8年ぶりに店のゴルフコンペを復活させたほど。「ゴルフをすることで人と人がつながる。うちの店だけがじゃなく、つながった人たちが花園を訪れて、全体の景気が良くなってくれることがベスト」と熱く語る。長身でスタイルの良い若マスター。