2011年4月のベストマスター
canal(カナル)
藤本 信一マスター
サンモール商店街の脇にある明治40年築のレンガ倉庫を改装して、カフェ「canal(カナル)」をオープンしたマスター(54)。
レンガ倉庫は、福井県三国から北前船に乗って小樽に移住してきた祖父が購入。藤山商店から独立して始めた商店、「北海みやげ」として使用し、この後、父親が「インテリア和光」として営業した。
幼少期から、「このレンガの歴史的な建物を生かした仕事をしたかった」という。仕事であちらこちらと飛び回る中、その思いはさらに強くなり、高齢となった母親がインテリア和光を閉店するのを機に、建物を改装。「歴史的な建物を生かした仕事をしたい」を実現させた。
しかし、「ここで喫茶店をしたかったが、時期が良かったかどうかは難しい。人口が多い時にやれば良かったと後悔することも。冬場は人通りが少なくてきつい。大通りで上下のバス停留所も近く、場所が良いのに厳しい」と嘆く。
ただ客を待つだけでなく、店内で絵画展を開くなどして集客に努め、少しずつ常連客も増えてきた。「今後は、2階・3階を画廊や文化教室にしたいと思っている」
祖父や両親から引き継いだ、思い出深いレンガの歴史的な建物の有効的活用は、今始まったばかり。