2012年4月のベストマスター
鶏屋 鳳(OTORI)

八木 裕史(ひろふみ)マスター

 身長181cm・体重102kgの巨漢のマスターが扇ぐうちわから、香ばしい焼き鳥の香りが店内に広がる。市内色内1丁目にある「鶏屋 鳳(OTORI)」のマスター(38)。

 釧路生まれ。父親の転勤で10才からの小樽生活。小樽水産高校を中退した10~20代は、いろいろなとんでもない仕事を経験した。札幌でゴミ収集車の助手から始め、お金をもらってはパチンコ屋に通うその日暮らし。その後、鳶職を6年間、23才まで。堺町で観光客にカニを売ったり、花園でフードバーを8年間。「僕は働くことが好きなので、仕事をしていない月はなかった」と言う。

 「これまで飲食店をやりたくて、ずっと独学で勉強してきた」と言うマスターの出す鶏料理は、一品一品が吟味工夫されていて、フランス・イタリア料理と見間違う一皿も多い。ゆったりした空間が確保された店は、コラーゲンたっぷりの白濁スープの水炊き(コラーゲン鍋・1人前1,480円)が名物。

 「ここは、嫁さんの実家で、ここの2階に住んでいた。もともと車庫だったところで、金をかけて改造し、店をオープンして3年目になる」

 頭をバンダナで包み、精悍な顔のマスターの左耳には、ピアスの穴が5つも開いて、ピアスが光っている。「ピアスは10年以上前に開けた。38のこの歳で開けたら、問題があるじゃない」。一見こわもて風だが、笑顔がはじけると、人懐っこい優しさが溢れてくる。

 前妻に1人、今の妻に2人の子供3人の父親。「3人とも女なので、また女だったら、野郎(男の子)が出来るまで頑張ります」と高らかに宣言する。

 「趣味のバイクは、20何年やっているが、昨年からはゴルフにはまった。今年はバイクの車検を取るか悩んでいる。昨年始めたばかりのゴルフは、休みに30回も行った。今年は待ちきれず、茨城まで行ったが、まだ100を切れない。身体がでかいので当たると飛んでいくのだが、皆から言われるとリキが入って駄目になる。100を切るのが今年の目標!」

 「仕事着を脱ぐと、奇抜な自己表現力が好きで、常に派手なアロハを着ているので、お客さんに会って挨拶しても、誰も気付いてくれず、ぜんぜん違う人だと言われる」と、変身を楽しんでいる。

 カウンター11席、小上がり25席の小樽バインの横路を入った店は、10才年下の奥さんと二人三脚で美味しい鶏料理を提供する。男盛りの38才のマスター。

鶏屋 鳳(OTORI)

小樽市色内1-9-11
電話:0134-32-2229
営業時間:
11:00~14:00
17:00~23:30
定休日:月曜日