佐藤 寛マスター
ゆずをモチーフにした陶器やガラス製品を販売する「ゆず工房」の店長佐藤寛さん(34)。
小樽生まれの小樽育ち。小樽で地元に根付いた仕事がしたいと、北一硝子へ入社。9年間勤務した。そこで札幌から小樽の硝子が好きで就職していた亮子さんと出会い結婚。亮子さんが先に「ゆず工房」へ勤務し、愛知県の本社が小樽の「ゆず工房」から撤退の話を聞き、佐藤さんが店長となり引き継ぐことになり、今年で4年目となる。
店名は、小樽の冬景色の中に“ゆず色”のような温かい雰囲気の店を作りたいと先代が名づけた。それを、温かい笑顔の佐藤夫妻が雰囲気を守り続けている。
店内には所狭しと硝子製品や陶器が並び、3,000点以上が店内を飾る。ふくろうやお地蔵様、季節の雛人形や節句、干支、見ているだけでも癒され、次第に欲しくなる。
亮子さんオリジナルのトンボ玉は、中に小樽の雪景色を描いた「雪の結晶」シリーズとして製作販売。細かい作業となるがロマンチックな作品に仕上がっている。
自分で作るトンボ玉製作体験は700~2,000円。トンボ玉をモチーフに指輪やペンダント、ストラップの製作体験できる。ゆずの形をあしらったトンボ玉はプラス300円。トンボ玉とは、「穴の開いた硝子の玉のこと。江戸時代に広く人の手にわたり、簪や根付の装飾品として使われていたガラス工芸のひとつ」と説明があった。
佐藤さんは、珍しいガラス製品を見つけたり、探したりするのが好きで、小樽近郊のガラス作家の製品や沖縄の作家の陶器も販売している。店内に吊るされた風鈴が夏らしさを演出している。
石狩のガラス作家が作る、使用済みのコカコーラやペプシコーラの空き瓶や廃材を温め、吹いたり曲げたりして違う形に生まれ変わる「ファッション・ボトル・アール」も展示販売している。ちょっと珍しいガラス製品に目が留まる。
佐藤さんは、「探してみてあっと驚く楽しいガラス製品に興味があり販売している。可愛いものから驚きのガラス製品があり、ご来店のお客さんに楽しんでもらいたい」と話す
神奈川の80歳代のお客さんは、製作体験が気に入り、毎年、市内のホテルへ泊まり、自分で作り楽しんで帰られるれるという。タイやシンガポールなどの海外からのお客さんも多く、出会いを大切にしているという。小学生から高校生の修学旅行生の製作体験も応じている。
今年4月から2号店(色内1-6-23)を、駅前通りにオープンさせた。「ふらっと立ち寄り、トンボ玉体験や変わった雑貨などを見て楽しみ、気に入ったものを探してもらえれば」と話した。
ゆずの癒される色や形が店内に広かり、子どもから大人まで楽しめる「ゆず工房」。ガラスが縁結びとなった佐藤夫婦の優しい笑顔が今日も絶えない。