2014年9月のベストマスター
手打ち蕎麦 そば処 月

上田 英範マスター

 手打ち蕎麦専門店の「そば処 月」の店主上田英範さん(50)は、蕎麦が大好きで、蕎麦打ち歴20年。

 こだわりの蕎麦を提供する上田さんは、小樽出身。札幌、室蘭など各地を回り、そろそろ故郷へ帰ろうと、2012年9月に小樽へ戻り、開店前に、札幌で1年間修行し準備を進め、2012年11月1日に住之江町に蕎麦店をオープンさせた。2013年9月から、花園の現在の場所に移転。

 自分で光ることができず、太陽の光を反射して輝いている“月”を店名としたのは、店も、お客さんに光をあててもらい輝き続けられればとの思いから。

 上田さんは、蕎麦こだわりを持ち、何種類かの蕎麦を用意している。上田さんがオリジナルでアレンジした「一九田舎細打ち麺」は、大変好評で、小麦粉1に対して蕎麦粉9の割合で、普通太くて短い田舎そばが、ここでは、細くて長く仕上げている。蕎麦の風味が良く、歯ごたえがあり、蕎麦通には癖になる。

 また、有名ブランドの蕎麦粉を入手したり、韃靼そばなど、珍しい蕎麦も提供。道産蕎麦粉100%を使用している。

 営業時間中であれば、夜中でも打ち、最近では、いかに乾燥をさせないで短時間で打つか、挑戦を重ね、現在は20分以内で打てるそうだ。蕎麦を打つ姿勢は真剣だ。蕎麦つゆも特製で、蕎麦打ちから盛り付けまで、すべて、上田さんが行っている。そんな多忙な上田さんの協力な助っ人は、同級生だった奥さん。店内を明るくしている。

 マッチョな店主は、蕎麦以外にも凝り性で、学生時代はサッカーに夢中で、明けても暮れてもサッカー。現在は1,200ccのバイクに夢中だが、全国大会クラスのオセロの実力も持ち、ゴルフも目標を決めてプレイしていたそうだ。

 そば打ち体験教室やプロ養成コースを開講し、蕎麦打ちを伝授。美味しいカニを求めて根室へ花咲ガニを買い付けに出かけたり、増毛のエビや寿都の牡蠣を、店のイベントを催して、お客さんに提供し、好評を得ている。上田さんも食べることが大好きで、美味しいものを食べたいと思う気持ちが行動に出ている。大変フットワークの良いマスター。

 蕎麦に合う日本酒にもこだわり、全国の辛口種15種類ほどを揃え、女性客にも大変喜ばている。日本酒に合う肴も提供。そのひとつに、「藁焼き鰹の塩たたき」がある。だしに鰹を使う関係から鰹に目を付けた。高知県の名産で昔ながらの製法で作られたものを、新玉ネギとニンニクチップとミョウガを薬味に味わう。

 全国から、蕎麦を目当てに旅人が訪れ、東京から年2回必ず訪れる人もいるそうだ。今後の夢は、そばビルを建てること。蕎麦打ちの名士に、心まで打たれたお客さんも多い。

手打ち蕎麦 そば処 月

小樽市花園3-8-18
営業時間:平日17:00~3:00、日曜・祝日17:00~0:00
定休日:4日・14日・24日(4のつく日が金・土曜日の場合はその週の日曜日)
TEL&FAX:0134-61-1276

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