2015年5月のベストマスター
有限会社カネキン澤崎水産

澤崎 千春マスター

 小樽出抜小路に3店舗を構える有限会社カネサン澤崎水産は、海鮮丼が自慢の食堂と海産物販売の店。そのオーナー澤崎千春さん(67)は、海鮮の鮮度にこだわる熱血な人。

 澤崎さんは、国後生まれの根室育ち。若い頃、インテリアデザイナーだったこともあり、その経験が、海鮮丼のデザインにも活かされているという。

 根室では、何代も続く水産会社を経営し、イクラの醤油漬けは、150年も続く伝統の味。醤油加減が絶妙で、一度食べたら、また食べたくなる味。ビン詰でも販売し、カニなどの海産物の地方発送も承る。

 小樽へ来て18年目。小樽商工会議所の勧めて、ウイングベイに海鮮食堂を出店。その近くの築港7に活カニ専門の水産工場を開業した。10年前から小樽出抜小路に店舗を構え、現在、ウイングベイ店は閉店したが、札幌狸小路には姉妹店がある。

 オーナー自ら店頭に立ち、仕入れから販売、カニを茹でたり調理・盛付け、接客までなんでもこなす。豊富な経験を積んだオーナーならではの最高の丼を食べた人は、みんな笑顔になる。丼の味もさることながら、3号店からは、運河の倉庫群が見渡せるロケーションもご馳走だ。カウンター12席のこじんまりとした店内は、オーナーとの距離も近く、会話も弾む。

 オーナーおすすめは、人気NO.1の特選ちらし丼。茹でたてのカニと活きたホタテ、伝統の味付けのイクラ、寿司ネタで言えば、16カンが丼に収まったようなもの。食材は、鮮度と旨さを吟味したものだけを使用。丼に乗り切らないため、イクラの下には、サーモン・甘エビ・トビッコなどを敷き詰め、その上にカニ・エビ・ホタテ・ウニをトッピング。ネタが新鮮だと食材が隣同士になってもそれぞれの味が保たれているという。

 ぜひ、北海道の鮮度を感じてもらいたいと太鼓判を押したマスターの語りには、説得力がある。

 北海道のグルメを紹介する雑誌にも掲載され、店自慢の海鮮丼が表紙になったこともある。世界のレストランやホテルを紹介するインターネットのトリプルアドバイザーや食べログ等で紹介され、世界11ヵ国から丼を食べに来店する。

 また、店に関する投稿画像が100件以上で、常にトップランキング入り。店舗横や店内には、来店者からの感想が書かれた張り紙がびっしりと貼られ、「今ままでで一番うまかった」・「世界一の味」・「食べなきゃ人生損をする」など、熱いメッセージが残されている。

 7月~9月は、インターネットで知った観光客や世界各国からのリピーターが大勢押し寄せ、1時間40分待ちとなることもある。「北にライバルはなし!」と笑顔を見せた。

 ここまで人気が出るまでには苦労もあった。店の近くを通る人に声を掛け、営業して回ったこともあったと当時を振り返る。

 年間5~6万人が来店してくれているが、年齢のこともあり、あと10年続けるとして50万人に丼を提供できるが、出来れば、1,000万人にこの味を伝えたいという。

 常連客から”おやじ”と親しまれ、自慢の丼を笑顔で提供。鮮度にこだわりを持ち、海鮮に詳しいオーナーは和食好きと思いきや、普段は、洋食屋にも出没し、お気に入りのランチを楽しんでいるそうだ。

有限会社カネキン澤崎水産

小樽市色内1-1 小樽出抜小路内
電話:0134-23-2112
営業時間:11:00~20:30
定休日:11月~4月木曜日・5月~10月無休

お店のHP