長嶋 淳マスター
小樽市赤岩でパン工房「こんがりや」を営む長嶋淳さん(44)は、生まれ育った故郷の人々に、素材に拘ったパンを提供して16年。熱いハートで納得できるパンを製造販売している。
長嶋さんは、大学生の頃、札幌のパン屋でのアルバイトがきっかけとなり、一度は会社員を経験したが、パン職人を目指し修行の道へ進んだ。2001(平成13)年5月に地元での開業にこぎつけた。
赤岩のバス通りに店舗を構え、子どもからお年寄りにも分かりやすい名前で、パンがこんがり焼けた雰囲気を伝えようと「こんがりや」と名づけた。
パン職人の仕事は朝が早く、毎朝1:30には起床し、2:00から3:00までには出勤。国産小麦を使用しひとつひとつ丁寧に作り上げている。
食パンには、道産小麦の「ゆめちから」を贅沢に配合し発酵バターで焼き上げた「ゆめちから山食」、フランスパン生地で作った塩味の「トースト」、バター・牛乳・卵をたっぷり使った「ミルク食パン」と、道産の小麦とライ麦を使った、ビタミン・ミネラルが豊富な体に良い「ライ麦パン」の4種類を用意している。
定番のクロワッサンやあんぱん・メロンパンに加え、季節限定でさつまいも使ったクリームパンやデニッシュ、木曜日のふわっと酒粕の香りと十勝産の金時豆とうぐいす豆が入った酒粕入り2色豆パン、金曜日はプチプチした食感が癖になるいちじくとプルーン入りのパンなど、日替わりを含め30~40種類を製造している。
一生懸命に愛情を込めて作る姿勢が大事だと、正直なものづくりを心がけ、自分で本当に食べたいパンを提供しようと、十勝の有機栽培の豆餡を使ったり、手間をかけ納得できる商品作りに全力を注ぐ。
パンを作る工程は奥が深く、気温や湿度に影響されるデリケートなもので、これまでの経験から数字では測れない状況を判断し、パン作りに活かしているという。気を抜いていてはお客さんに分かってしまうと、会話からも熱い思いが伝わってくる。
今後の夢を尋ねると、「夢はパン屋を開店することで叶っている。その中で、長く続けること。常に向上心を持ち、良いもの作りたい。食べ物への責任がある」と話す。
長嶋さんは、「厳選した材料で、ひつとひとつ丁寧に作たパンを皆さんに食べもらいたい」とPRした。
火曜日と金曜日の11:00から12:30まで、小樽市役所(花園2)で出張販売を行なっている。