2016年4月のベストマスター
支那そば 愛幸

横手 将人マスター

 小樽で支那そばを提供する「支那そば愛幸」の店主・横手将人さん(53)は、昨年(2015年)6月に34年ぶりに小樽に戻り、稲穂5のそば屋・松乃屋の店舗跡に、8月30日オープンさせた。

 横手さんは、市内の小中学校を卒業後、小樽商業高校へ進学。高校生活ではブラスバンド部でサックスを担当、定期演奏会やパレードに参加。生徒会の仕事も積極的に協力していた。その後、札幌の調理専門学校へ通い、さらに、青森で栄養士を目指し勉学に励む。卒業後は、東京で栄養士の職に就くが、仙台へ移住し、元祖支那そば家に30年ほど勤め、小樽へその技術を持ち帰った。

 仙台では、5年前の東日本大震災に遭い、店舗の被害も大きく、再建に1年半もかかった。その後、小樽に残していた高齢の両親が気にかかり、ひとりっ子でもあり、小樽へ戻る決意をした。開店する3ヶ月前に妻の幸恵さんと戻り、現在、二人三脚で店を切り盛りしている。

 横手さんの朝は早く、5:30には店で支度をする毎日。それなら、朝からラーメンを提供しようと、通常680円を、ワンコインで食べられる「朝ラー」として提供。日曜日には、孫を連れた老夫婦などが、朝からラーメンを楽しんでいるそうだ

 店主おすすめは、仙台で培った経験を活かし、香り高い正油味やしじみのエキスが沢山入った塩味。他にも白湯の味噌味や手作りの餃子、酒の肴としてもおいしい骨を取り食べやすく形を整えた豚足も提供している。

 新メニューの開発にも力を入れ、さっぱりとした味けつけの「もやしあんかけラーメン」を追加。お客さんの要望にも応えている。今後、丼ぶり物メニューを考案中だ。

 小樽が好きで、仙台にいても度々帰省し、小樽の幼なじみなどが、ラーメンを食べに来てくれるそうだ。

 また、仙台のお客さん120名のカンパで、火を守る神「釜神様」をプレゼントしてくれた。1反半のサラシに、120名の名前や励ましのメッセージが書かれたものが入っている。木彫りのお面の釜神様は、家が新築される際に、大工さんが余った材料で作り、その家にプレゼントしてくれるもの。店内の壁に飾られ、いつも見守っている。

 仕事熱心な横手さんは、5歳から書道を習い、今一番の楽しみは、馬や猿・河童などの文字をその動物のように崩して描くこと。作品は、額装して店内に飾り、温かい雰囲気を醸し出している。また、メニューや看板の文字なども横手さんのセンスを活かして描かれたもの。

 横手さんは、「さっぱりした味の支那そばは、小樽ではあまりない味なので、ぜひ食べてもらいたい」と話した。

支那そば 愛幸

小樽市稲穂5-9-2
電話・FAX:0134-64-5522
営業時間:6:00~7:30・11:00~15:00・17:00~20:00
定休日:月曜日