吉岡 祐マスター
掖済会病院(稲穂1)向いの小路を少し入った右側の元すし徳があった店舗に、食酒堂×ギャラリー想天坊(そうてんぼう)が、2016年3月7日にオープンした。店主の吉岡祐さんは、小樽出身の36歳で独身。
高校卒業後18歳で小樽を離れ、35歳までに自分の店を持ちたいという目標を持ち、コツコツと自分の道を歩んできた。1年半前に故郷小樽に戻り、36歳まであと3ヶ月というところで達成、人生初の店主となった。
かつて住んでいた新潟県にある地酒の名前「想天坊」から店名をとった。最初に見学に行った酒蔵で、仕事が終わった後に仲間とよく飲み、思い出深い酒。コクがあり、女性客に人気があるという。
小樽に戻ってから開業まで短期間であったが、小樽市主催の「小樽商人塾」で商売のノウハウを学び、物件も市から紹介された。
自分が客として行きたいと思う店の雰囲気・メニューを創り、それに合わせた酒を用意。食事を楽しんでくれれば嬉しい。
店内には、吉岡さんの父・正晴さんが制作したモダンなステンドグラスの作品12点を展示するギャラリーがある。上品なデザインの作品が並び、ステンドグラスを施した写真立てやアクセサリー、ランプも展示販売し、来店客の目を楽しませている。
吉岡さんがデザインしたというカウンターには8席と4人掛のテーブル2つを、1人で切り盛りするには訳がある。かつて大勢の従業員がいる場所で働いた時は、自分が作った料理を他の人が運んでいた。自分の料理を、お客さんがどう反応しているか、間近で感じたくなり、良くても悪くてもすべてひとりじめしたくなった。料理も配膳も、おもてなしすべてを自分でしたくなったからだ。
店内のボードには、吉岡さんが考えた創作メニューがズラリと書き込まれている。から揚げがカレー味だったり、おしゃれなバジル風味のポテトフライや、鶏軟骨入りつくねは甘ダレと月見で頂くなど、吉岡シェフの魔法が掛けられている。もちろん、ソースもドレッシングも手作りで、手間隙かけている分、ちょっとお待たせしてしまうこともしばしば。
店を持つ夢を叶えた吉岡さんのさらなる夢を尋ねると、「胸にしまっておきたい」とのこと。何度か通って夢を聞き出したくなる。
「お待たせしてしまうこともあり、ご迷惑をかけてしまうが、その分、気持ちを込めて調理し、納得のいくものを提供している。一度ご来店を」とPRした。