2017年7月のベストマスター
小樽和菓子工房 游菓~YU-KA

青木 雄二マスター

 小樽市指定歴史的建造物・後藤商店(旧塚本商店)の1階に、今年の4月27日に、小樽和菓子工房「游菓~YU-KA」がオープンした。小樽の歴史ある和菓子界にニューフェイスが誕生した。

 店主の青木雄二さん(46)は、小樽生まれの小樽育ち。市内にある老舗和菓子屋2店舗で28年勤め、このほど独立。その間に学んだ和菓子のノウハウを日々活かし、妻の文恵さんと夫婦で切り盛りしている。

 自身の「雄(ゆう)」の音の響きを入れ、菓子を遊ぶという意味を込め、店名を「游菓」とした。

 店舗の建物は、1920(大正9)年に呉服太物商の店舗として建てられ、第1回小樽市都市景観賞を受賞している歴史的建造物。

 建物の雰囲気も気に入り、「菓子作りが大好きで自分の店を持つ」という夢を叶えた。店主になって初めて分かる苦労も経験し、多忙ではあるが充実した日々を過ごしている。

 店舗2階には食堂があり、周辺にはそば屋・硝子工房・コンビニ、今後はホテルもオープン予定で、周りの店と切磋琢磨しながら、小樽の街を元気づけたいという。

 道産小麦粉と小豆、小樽地鶏の卵を使用するなど、納得いくまで素材を吟味し、食材を仕入れている。

 青木さんおすすめは“どら焼き”だが、いちごが丸ごと1個と白餡が入ったいちご大福も人気。黒砂糖を使った柏餅や懐かしいと評判の中華まんじゅう、和菓子にこだわらずマドレーヌやブルードネージュ(クッキー)も並ぶ。

 中でも、友人の“食べたい”から生まれたどらやきメニュー「おてもりどらやき」は、お客さん目線になって、いろいろな味が楽しめる。つぶあん・抹茶クリーム・いちごクリーム・生クリーム・カスタードの5種類を用意。好みの餡を好きなだけ載せて食べるどらやきだ。

 友人繋がりで、店舗の工事や内装・照明など、すべてに協力してもらい、多くの知人・友人が開店を祝福してくれた。人の繋がりのありがたさを実感し、「皆さんの支えや助けに感謝し、美味しい菓子を提供し、自分が育った小樽の人に恩返しがしたい」と語る。

 焼きたての温かいどらやきの皮を試食で提供し、製造者と購入者との距離をなくし、客の声を間近で聞き、その中から商品化も検討。

 開店して2ヶ月だが、今後は、新商品を増やし、品揃えを豊富にしていきたい。無理せずに、身の丈にあった仕事をしっかりとこなしたいそうだ。

 青木さんは、「どこにでもある菓子だが、“美味しい”と言われることが何よりも嬉しい。ぜひ食べていただきたい」とPRした。

小樽和菓子工房 游菓~YU-KA

小樽市色内1-6-27 後藤商店1階
電話:0134-55-5747
FAX:0134-55-7346
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休