佐藤 友保マスター
小樽出身のカービング(木工芸彫刻)作家・佐藤友保さん(62)は、自宅を改装して、今年6月2日(日)カービング教室と工房、ギャラリーを備えたカフェ「Tomo’s carving」オープンさせた。
場所は、豊川町郵便局側にある郊外の住宅地。子どもの頃からものづくりが好きで、個展の反響もあったことやいつか店を持ちたいという夢と、妻の勧めで、3月末の退職を機に新たなスタートを切った。
店内の棚や壁は、佐藤さんの手づくりで、2階へ続く階段を本棚で仕切った工夫も施され、寛げる雰囲気に溢れている。
カフェでは、中央市場にある友人の焙煎コーヒー店「CHAFF(チャフ)」から仕入れた豆を使用したコーヒーを味わいながらの作品鑑賞ができる。オーナーのおススメは、アイスクリームにエスプレッソをかけた「エスプレッソアフォガード」。昔ながらのカキ氷やビールも。
ギャラリーとして、雀やベニマシコなどの鳥、友人や家族、著名人などの人形ガービング作品20点をはじめ、カード立てやマグネットなどの小物も販売している。
友人や知人がモデルのカービング作品は、完成するとモデルになった人にプレゼントしているため、ギャラリーでは、プレゼントした人から借りて展示しているという。
また、4年前から工芸部門(カービング)で道展にも挑戦し、2016(平成28)年の初応募は、中学校の副担任をモデルに特徴を捉えた作品。2017(平成29)年は、昔の写真に映る祖父と幼い佐藤さんを製作。2018(平成30)年は、ロッククライミング練習場の赤岩の壁をカービングで再現した、ロッククライミングを趣味とする佐藤さんならではの道展入選作品も展示している。今年の道展応募作品は、すでに完成しているという。
カービング教室も開講し生徒を募集している。カフェの営業時間にあわせて、1回2時間で月4回6,000円(月謝)で、都合の良い日を選び、木製スプーンやペンダント、作りたいものの写真を持参し、楽しみながら学ぶことができる。
「木が少しずつ形になっていき、もっと先に進みたくなる。ものづくりをする人なら、みな感じることでは」とカービングの魅力を語る。
今後は、自分の作りたいものを作品にして販売したいとし、「カフェでお茶を飲みながら作品を観て、作りたい気持ちになってもらえれば」とPRした。
これまでに、あとりゑ・クレール(梅ヶ枝町)、市立小樽美術館(色内1)、東京銀座で作品展を開き、長橋なえぼ公園内森の自然館に展示中のバードカービングは、佐藤さんが製作して寄贈したもの。