旧板谷邸の観光施設「海宝樓」26日オープン!

 小樽が生んだ海運王・板谷宮吉(板谷商船の創立者)の旧邸を、観光施設として再利用するため、昨年から進められていた大規模修繕・模様替工事による改築が90%完成し、他に先駆け小樽ジャーナルに初公開された。
 公開された観光施設「海宝樓」は、板谷商船が海運王として財を成した「海」と、オーナーの名前から「宝」の一字を取り、「海宝樓」と名付けられた。
 大規模に改築された邸内には、鉄板グリル・ワインバー・フレンチなどのレストラン、葛切り・ぜんざいや稲庭うどん、松花堂弁当を出す和室の食事処、露店風呂付の入浴施設、石造倉庫を利用した資料館などから成っている。
 この豪邸は、約5,000平方メートル(約1,500坪)の敷地に、約482平方メートル(約146坪)の和洋折衷の木造2階建。木造の母屋に続き、洋館が併設され、当時の雰囲気を今に伝えている。
 市は、このため1994年4月に登録歴史的建造物としていた。しかし、板谷家が売却し、買主から、この登録抹消が売買条件とされたため、2004年10月に登録を抹消していた。
 購入者のホテルソニアのオーナーでもある菅原宝珠氏は、当初は解体することにしていたが、一転して、観光施設への再利用を目指していた。
 「昨年秋の11月30日頃から、邸宅を全改造する大規模工事に取り掛かった。約2億5,000万円をかけて、4月15日には90%近くが完成した。風呂は現在、石灰質の水を汲み上げた沸かし湯だが、来年9月までには温泉を掘削し、天然温泉とする。3階建・洋室24室の宿泊施設も、次に着工したい。現在では、この建物を解体せずに再利用出来たことで、心から良かったと思っている。今後は、市の歴史的建造物としての指定も受けたい」(オーナーの菅原宝珠氏)
 青色の発光ダイオードで照明された木々に囲まれた旧板谷邸は、やっと邸内に明かりが灯り、久し振りの活気を見せ始めている。
 「海宝樓」のオープンは4月26日(火)から。入邸料:大人1,000円、子供500円で菓子とお茶付。入浴施設は大人2,000円、子供1,000円。
 22日と23日には、お披露目のレセプションが行われる。
 なお、同邸内には、煉瓦造りの防空壕が残っており、立って歩ける広さで、庭に抜けられる階段もあり、今では珍しい戦時の遺物となってる。

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