小樽に帰ってきた鰊!前浜で大漁の水揚げ!


nishin.jpg かつて鰊(ニシン)漁で栄えた小樽の前浜に、暖冬の影響から鰊が戻ってきている。銭函から蘭島までの漁港では、久しぶりに鰊が大漁に揚がり、漁民たちを喜ばせている。
 小樽では明治から大正にかけて鰊漁が最も盛んに行われた。しかし、1935(昭和10)年以降、海水温の変化や乱獲なのか原因は定かではないが鰊が激減し、小樽の鰊漁は実質的に終わっていた。しかし、近年、小樽の前浜で少しずつ鰊が揚がるようになっていた。
 しかし、量は少なく、昨年も大雪のため海水温が2.5℃と低く不漁に終わっていた。今年は、暖冬の影響から雪も少なく海水温が4.1℃程度と鰊漁に適した水温のため、鰊が前浜で大量に揚がっている。
 小樽市漁業協同組合(色内3)によると、1月20日(土)現在で2万4,715kgも獲れており、昨年の766kgよりもはるかに多い。浜値1kgあたり、昨年は959円だったが今年は280円で、合計では昨年の約10倍の707万1,569円となっている。
 同組合の岩木剛専務理事は、「今年は大しけがなく凪と資源に恵まれて、よく出漁出来たことも大漁の要因となっている。昔はもっともっと獲れていたが、今年の水揚げは久々の明るいニュースで、漁師たちもウキウキしている」と笑顔で話していた。
 小樽市内では、銭函から蘭島までの前浜で鰊が獲れる。1954(昭和29)年頃までは、オホーツク、サハリンから積丹に大回遊するサハリン系鰊が獲れていたが、現在は、移動しない石狩湾系鰊が獲れているという。「やはり昔獲れたサハリン系の鰊は脂があって良かった」(同組合)
 小樽市内築港にある新南樽市場の工藤鮮魚店では、鰊1盛(5本)350円で販売している。「解禁になってから大漁だと聞いている。5本で350円は安過ぎるけれど、お客さんが脂があって美味しいと言ってくれるので、それだけで嬉しいね」と忙しそうに鰊を並べていた。
 鰊漁は2月27日(火)まで行われる。