小樽市 13.8億円の赤字放置、13.8億円のボーナス支給!


 小樽市役所(山田勝麿市長)は、6月15日(金)、全職員1,904名(市長・副市長含む)に対し、総額13億8,000万円の夏のボーナス(期末・勤勉手当)を支給した。
 給与・報酬に関しては、市の財政難からこれまで、市長25%、副市長16%、一般職9.8%、議員5%などの自主削減を行っているが、それでも市長185万円、副市長167万円、一般職1,902名平均 72万円が支給された。
 4月の市議選で当選し、4月30日から議員任期が始まったばかりの議員達には80万円が支給された。ただし、わずか1ヵ月半しか経っていない新人議員には、100分の30だけが支給された。この新人議員に対する初ボーナスのカットは、本社が4年前の記事で指摘し、改正された経緯がある。(関連記事) 
 また、5月24日に議長・副議長に就任して3週間しか経っていない見楚谷議長と佐野副議長には、それぞれ議長職127万円、副議長職115万円が支給された。
 ちょうど開会中の6月市議会第2回定例会では、改選後初の本格的な審議が要請されている。山田市長は、15日の提案説明の中で、「次の4年間は財政再建の正念場。財政再建はまったなし。総人件費の抑制。常に市民の視点を持ちながら、時流の変化に機敏に対応」などの言葉を散りばめており、「既成概念にとらわれない発想と率先して課題に立ち向かう行動力」で、「自らその先頭に立って」ボーナスの大盤振る舞いに踏み切った。
 市長提案説明では、「平成18年度の赤字額(12億3,000万円)に、今回の補正にかかる財源不足分1億5,263万円を加え、形式計上した諸収入の額は、13億8,263万円になる」と述べている。形式計上した諸収入とは、カラッぽの市の財布に13億円8,000万円を入れたことにして、会計のつじつま合わせをしているものだ。カラ財源で累積赤字は13億8,000万円にも上ることになる。この額は、今回支給したボーナス額とまったく同額となっている。ボーナスを支払う財源がないのに、大盤振る舞いする小樽市は、市民の感情を逆なでするものでしかない。
 約1,270億円の巨額借金と一般会計や各特別会計の累積赤字が膨らみ続けている中で、しかも、財源不足をカラ財源で繰上充用している財政破綻の市役所が、総額13億8,000万円ものボーナス支給は、到底、市民の支持を得られることはない。
 借金と累積赤字で財政破綻している中で、市民負担に転化するボーナス支給のあり方に、市民は大きな疑問を抱かざるを得ない。財政再建団体入り寸前の小樽市が、一回のボーナス支給を見合わせれば、一般会計の累積赤字額13億8,000万円は、たちどころに解消するのではないか、というのが市民感情の正直なところだ。
 もちろん、市民は、市の財政が健全化されていれば、ボーナス支給にも反対する人は少ないと思われるが、財政再建を声高に叫ぶ小樽市のボーナス大盤振る舞いには、大きな批判が起こると思われる。
 市長は、「にぎわう商店街づくり事業」、中心市街地のにぎわいづくりのため商店街の独自の事業に対し支援を行う経費として、今回の補正に、わずか240万円を計上している。これは、市商連13団体の新規拡大事業として、空き店舗の利用やイベントの助成に、70万円と50万円を各2団体ずつ計4団体に出すものとしている。
 財政破綻している市が、一回のボーナス支給に13億8,000万円で、市長・副市長2人の1回のボーナスは、合わせて353万円にもなるが、にぎわう商店街づくりには、年間わずか240万円という構図は、官高民低の親方日の丸行政がくっきりと浮かび上がる。市と市議会の今後の対応が、厳しく問われている。
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