黒澤明監督「天国と地獄」、小樽でリメイクドラマに!

tengoku.jpg 小樽を舞台としたテレビ朝日スペシャルドラマ「天国と地獄」の撮影が、市内各地で進んでいる。



 6月11日にクランクインし、忍路や手宮など港町・小樽が持つ特徴的なスポットや路地裏、堺町通りのような観光名所など、小樽の至る所で、ロケが行われている。
 テレビ朝日スペシャルドラマ「天国と地獄」は、黒澤明生誕100周年を記念して、小樽を舞台に現代版としてリメイクして放送する企画。三船敏郎が演じた製靴会社の専務・権藤金吾役に、日本アカデミー賞などの受賞歴を持つ俳優・佐藤浩市や女優の鈴木京香など豪華キャストを揃え、鶴橋康夫監督による初のリメイク版テレビドラマ化。
 元の映画は、港町・横浜が舞台となっている作品。高台にそびえる豪邸に住む製靴会社の専務・権藤に憎しみを抱いた青年による身代金誘拐事件のサスペンス映画。
 今回は、「小樽に来た瞬間に良い街と思った」(鶴橋康夫監督)と、小樽を舞台にリメイクが決定した。小樽市街を一望出来る高台にある豪邸など、黒澤明の「天国と地獄」を再現しつつ、現代版として横浜と同じ港町小樽でよみがえることになった。
 6月23日に開かれた取材会で、鶴橋監督が、「クランクインして10日ちょっと。撮影は快調。肉体的にはグロッキーだが精神的には大丈夫。小樽の街がどんどん自分たちの街になれば傑作になる」と挨拶した。
sato.jpg 主役の権藤役の佐藤浩市さんは、「リメイクにプレッシャーを感じるタイプではない。黒澤監督の天国と地獄、鶴橋監督の天国と地獄を、割り切って別個のものとして考えている。素敵な共演者の方々と現場を盛り上げ、楽しくロケが出来ているので恵まれている。これまで小樽には来たことはなかったが、小樽の雰囲気はこの作品にあっている」。
suzuki.jpg 権藤の妻・伶子役の鈴木京香さんは、「家族のことを愛するお母さんを演じたい。素晴らしい俳優さんたちの演じているところを見るのはとても良い経験」。
abe.jpg 警部役の阿部寛さんは、「刑事役は演じたことはなかったので楽しみにしていた。権藤さんの息子さんが誘拐されたということで、目や心の通じる芝居で、刑事チームをどう見せられるか頑張っていきたい」と意気込みを話した。
 小樽ロケも終盤に入っている。同ドラマが放送されるのは今秋の予定。小樽フィルムコミッションでは、「黒澤監督の天国と地獄のリメイクが、小樽を舞台に撮影されているので、また、小樽の知名度が全国的に上がるのでは」と期待している。
 小樽の街を舞台に、黒澤明という世界的監督の映画「天国と地獄」が、テレビドラマとして、再び、どのように登場するのかに注目される。