祝津ニシン放流式 市鰊御殿移設50周年


 祝津3にある小樽市鰊御殿が、泊村から移設されて50年を迎える。これを記念して、指定管理者となっている「おたる水族館」は、8日(日)11:00~11:30、ニシンの放流式を行う。
 鰊御殿は、1897(昭和30)年に、積丹半島の泊村で漁場経営していた田中福松の住居兼作業場として建てられた。北海道炭礦汽船株式会社が買い受け、1958(昭和33)年に小樽市へ移設された。小樽の観光名所のひとつ。
 「豊富な道産の木材を使った梁や柱、また東北地方から取り寄せたと思われる檜などがふんだんに使われ、建築者の財力の一端をうかがうことができます。建物の外観は特徴的な大屋根中央の切妻造りの天窓、伽藍調を帯びた大屋根の庇(ひさし)などが目を引きます」 と、道指定有形文化財となっている。2006(平成18)年には、水産庁の「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれた。
 管理者の水族館は、「いざ大海原へ」と、鰊御殿を背景とする前浜(祝津青塚食堂前)でニシン幼魚の放流式を行う。放流は、昨年に続き2年目で、祝津小学校の児童約20人が作業を手伝うことになっている。市漁協から提供された500匹を「いざ大海原へ」放流する。一般市民も参加出来る。
 当日の式典では、祝津小児童による作文の朗読もある。同館では、「広く一般の方々にも参加をお願いしたい」 と呼び掛けている。問合せ:0134-33-1400
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