「契約解除による市の損害もない」 住民監査請求を棄却


 小樽市監査委員が8月7日に正式受理していた「山田勝麿市長及び山田厚副市長は、連帯して2,581万円を市に返還せよ」とする市民からの監査請求を「棄却する」監査結果通知が、10月3日(金)付で請求人に通知された。
 市内稲穂在住の松浦光紀さん(62)と花園在住の高橋朋子さん(55)の市民2人から出されていた監査請求は、「市長及び副市長は新市立病院建設に係る基本設計業務委託契約を解除し、解約料として2,581万円の支払いをしたことで市に損害を与えたので、連帯して同額を市に返還させる措置を求める」となっていた。
 3日(金)に明らかになった監査結果では、「請求人が問題とした病院事業会計の処理について」、「起債許可の可能性と本件契約の締結について」、「本件契約の解除について」の3件の請求人の主張については、いずれも認められないとし、「本件監査請求には理由がないと認めるので、請求を棄却する」とした。
 監査結果の中には、「契約解除による市の損害もないということになる」と述べて、市長が新病院建設の中断で、税金の無駄遣いとなった設計会社への2,581万円の支払いは、「違法性も不当性もない」としている。
 監査委員会は、あくまで市役所の部局のひとつであり、2人の監査委員がいるが、一人は税理士の木野下智哉委員で、一人は新病院建設と基本設計契約を推進してきた市議会議員の久末恵子委員。このため、棄却の結果は、すでに見えていたという声もあった。
 請求人の松浦さんは、「まだ、私のところに通知が届いていないので、詳しく見てみないと、なんとも言えないが、棄却ということであれば、諦めるか、次の手を考えるかの2つの選択肢しかない。今後の方針は、仲間と話し合って決めたい」と話している。
 監査結果通知 
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