ネットで復刊の佐々木丸美作品展示 小樽文学館


marumist1.jpg 市立小樽文学館(色内1)は、1月30日(金)から3月1日(日)まで、ネットで復刊した北海道出身の作家・故佐々木丸美さんの作品や、その自筆原稿などを展示する企画展「雪の断章ー佐々木丸美展」を開催する。
 佐々木さん(1949年1月23日~2005年12月25日)は、当別町出身。1975(昭和50)年にデビューし、9年間で、漫画原作1点を含む全18作品を執筆。代表作は、映画化された「雪の断章」や推理長編「崖の館」、小樽を舞台とした「風花の里」など。「叙情的な文体でつづられる独特なその作品世界は、今なお根強い支持を得ている」(同館)。熱狂的なファンのことを通称「マルミスト」と呼ぶことで知られている。
 9年間の文筆活動で発表された作品はすべて絶版になり、「聞いた話だけれど、古書店では、1作品1万円もの値がつくほどだったらしい」(玉川薫副館長)という。
 1999(平成11)年に、マルミスト2人が、作品の復刊活動を始めたが、絶版となった理由などを聞き、出版元の講談社での復刊は断念した。しかし、絶版した書籍などの復刊を出版社に交渉するインターネットの「復刊ドットコム」(ブッキング)のシステムを使い、7年の歳月を経て、2006(平成18)年に作品を復活させた。
marumist2.jpg 小樽にもマルミストがおり、その紹介で、同館で企画展が開催されることになった。佐々木さんの遺した自筆原稿や、作品に関する新聞記事の切り抜き、復刊作品の単行本版を担当した味戸ケイコさん(函館出身)の表紙原画、文庫版を担当した牧野千穂さんの原画など約200点を展示し、「佐々木丸美独特の作品世界やその足跡をたどります」としている。
 玉川副館長は、「インターネットがなくては復刊することは出来なかった。少数の読者でも、復刊することが出来たことに感動した」と話している。
 入場料:一般300円、高校生・70才以上の市内在住者150円、中学生以下無料。
 2月14日(土)18:00~19:30には、佐々木丸美作品朗読会の開催も予定されている。会場は、同館カフェコーナー、話:上戸理恵さん、朗読:小樽桜陽高校・札幌静修高校放送局他。
 問い合わせ:0134-32-2388